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62歳の死生観 中井貴一、キムラ緑子「あと何年できるんだろう」


「終わった人」の意気込みを語った中井貴一(左)とキムラ緑子(撮影・阪口孝志)

俳優中井貴一(62)とキムラ緑子(62)が22日、大阪市内でリーディングドラマ「終わった人」の取材会に出席した。

原作は内館牧子氏による終活小説。23年に中井とキムラで全国7カ所での公演が行われ、今回待望の再演が決定した。

中井演じる田代壮介は、快調に人生を突っ走りながらも50歳に差しかかったところでいきなり窓際に飛ばされ、そのまま定年退職。退屈な人生を送る中で最高の仕事と最高の恋の相手が現れる。そんな壮介をひきまわす恋の相手や妻をキムラが1人4役で演じる。

中井は「自然体であるということ。リアリズムとナチュラリズムって違う。混同されるけど、緑子さんはそこが違う。力みを感じない」と絶賛。原作を読んだ際は「何人もの役を瞬時に、声だけで演じ分けられるのは緑子さん以外できない」と感じ、キムラを指名した。

「役をやらせていただく第1条件が相手役がキムラ緑子であるかどうか。やっぱり判断は間違ってなかったって思う今日この頃です」と昨年の公演を振り返ると、キムラは「私、前回のこのプレッシャーの中でやったんですよ。すごくないですか?。本当に困った。血圧が上がって上がって大変でした」と笑った。

2人は同じ62歳。同世代の友人も定年に近づき、考えさせられることは多いという。

中井は「還暦ってよく言ったものだなって思うんですけど、『死ぬであろう』という最終点が山の上から見える気がする。人って何のために生きてるんだろうってすごい考える。子どものころ、おじいさんはずっとおじいさんと思っていたことが、あの人が20代だったらとか、30代はどういう生活をしてたのかというのを想像しちゃう。ここから自分が何のために生きていくんだろうっていうのが優先していくような気がします」。

キムラも「若い方とミュージカルをさせてもらって、すごい魅力的な方がいっぱいいる。その人が30年後、私の年齢になったときにどういう俳優さんになってるかすごく見たいけど、その時に自分は死んでて見られないって最近気付いた。それで、あと何年できるんだろうって考えますね。だから、私が若いときに気付かなかったすごくいいもの、ステキに見えるものを、なるべく伝えたいと考えてます」。

こうした思いも演技に伝わっているのだろう。「感動してくださったり、涙を流してくださる」観客が多いという。

公演は7月13~14日(大阪・森ノ宮ピロティホール)、15日(兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール)。

また、26年3月に再々演が行われることも発表された。

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