宝塚歌劇団の月組トップ月城かなと、同組トップ娘役海乃美月のサヨナラ公演「ミュージカル・ロマン『Eternal Voice 消え残る想い』」「レビュー・アニバーサリー『Grande TAKARAZUKA 110!』」は、12日に兵庫・宝塚大劇場で千秋楽を迎える。月城は男役16年、舞台に立った本拠地に別れを告げる。
芝居の舞台は、ヴィクトリア女王統治下のイギリス。月城は独特の勘を持つ考古学者ユリウスにふんし、亡き母から特殊能力を受け継いだ女性アデーラに海乃がふんした。特殊能力を受け入れて自由に生きるユリウスと、自身の能力を恐れるアデーラ。作・演出の正塚晴彦氏が月城、海乃にそれぞれあて書いたオリジナル作で、芝居巧者コンビならではの舞台運びで魅了してきた。
レビューは宝塚110周年記念、中村一徳氏の作・演出。「歴史と伝統」を受け継ぎ、「新しい時代、歴史への始まり」を祝う。伝統的レビューへのオマージュから、「月」をイメージした未来へのメッセージも込められた。
月城、海乃らは、宝塚公演を終えると、東京宝塚劇場で6月1日~7月7日の上演が控える。東京公演千秋楽をもって退団する。
◆月城(つきしろ)かなと 12月31日生まれ、横浜市出身。09年入団。雪組配属。星組トップ礼真琴、退団公演中の花組トップ柚香光らと同じ95期。13年「Shall we ダンス?」で、新人公演初主演。美貌とノーブルさ、安定の舞台技量で注目。17年2月、月組へ移った。18年、東上初主演し、同年「エリザベート」でルキーニ。21年8月16日付で月組トップに就き、相手娘役に海乃美月を迎えた。22年1月「今夜、ロマンス劇場で」で、本拠地お披露目。本拠地作は「グレート・ギャツビー」「応天の門/Deep Sea-海神たちのカルナバル-」「フリューゲル-君がくれた翼-/万華鏡百景色」に次ぎ、5作目で退く。身長172センチ。愛称「れいこ」。