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『G.I.ジョー:漆黒のスネークアイズ』アクション監督・谷垣健治インタビュー「ほとんどの人は実際の忍者には会ったことがないでしょうから」発想の自由さを明かす


世界的な人気を誇るアクションフィギュアをもとに映画化され、ハイテクガジェットや特殊マシンを駆使し世界を守る最強の戦闘エキスパートチーム「G.I.ジョー」と、世界支配を目論む悪の組織「コブラ」の戦いを描き、全世界でメガヒットを記録した大ヒットアクション映画『G.I.ジョー』シリーズ。

ファン待望の最新作『G.I.ジョー:漆黒のスネークアイズ』では、史上最大規模の日本ロケが行われ、刀と銃を武器に戦い「G.I.ジョー」最強の戦闘能力を持つシリーズ人気No.1の漆黒の忍者ヒーロー“スネークアイズ”が主人公に!“未曽有の忍者テロ”を阻止するべく立ち上がったスネークアイズの、謎に包まれたオリジンストーリーが初めて描かれます。

本作のアクション監督を務めているのは、『るろうに剣心』シリーズなど、世界中で様々な作品に携わっている、谷垣健治さん。本作でのアクションのこだわり、出演者の方との交流など、お話を伺いました!

ーー映画大変楽しく拝見させていただきました。屋根や車に飛び移ったり、高低差を活かしたアクションが魅力的だなと感じたのですが、「忍者らしい動き」を表現するために行ったことなどはありますか?

忍者らしいといってもいろいろあるので、まず考えるのはそれぞれのキャラクターがどんな動きをするのかなという所ですね。“嵐影一族”の戦い方や、“スネークアイズ”の戦い方、“コブラ”の戦い方といったところから考えたので、忍者として気を付けるというよりも、「スネークアイズだったらここでこうするよね」「ケンタだったら忍者出身だけど、ちょっとヤクザっぽいニュアンスも入るよね」というようなことは考えました。まあ、ほとんどの人は実際の忍者には会ったことがないでしょうから(笑)、そのへんの発想は自由に出来ますよね。

ーースネークアイズ役のゴールディングさんは本作のためにハードなトレーニングをしたそうですが、谷垣さんから観たゴールディングさんの動きはいかがでしたか?

とても良かったです。トレーニングの最初の数日は体の使いが特殊なので慣れなくて大変だったかもしれませんが、もともとボクシングをやっていたし、すぐに上手くなりましたよ。アクション練習というのはできると楽しくなってくるんですよね。5,6回目くらいでグンと伸びる人は凄く多いです。それで言うと、彼は刀を使うキャラクターなので刀や蹴りの練習などをいろいろやりました。すごく動きに華がありますね。

ーーストームシャドー役のアンドリューさんはいかがでしたか?

彼は元からフィジカルにとても優れていました。カナダで知り合ったスタントコーディネーターのブレット・チャン(アンドリュー・小路主演「ウォリアー」スタントコーディネーター)からアンドリューのことはいろいろ聞いていて、「ウォリアー」でも彼は撮影前に韓国に6週間くらい練習をしに行ったりと、上手くなるまでノンストップで練習をするタイプの人間なので、そういう意味で彼はフィジカルでとても優れていました。色々自分のキャラクターについて考えたことを書き出してロベルト監督に提案したり、自分のやりたいことをはっきり表現していくストレートでストイックなタイプの役者さんでした。

ーーイコさんが「谷垣さんとのタッグが楽しみだ」とおっしゃっていましたね。実際にお仕事をしていかがでしたか?

イコも素晴らしかったですね。彼はもともと前の年にNetflixの『五行の刺客』をバンクーバーで撮影していて、その作品のスタントコーディネーターが本作のスタントコーディネーターでもあるキマニ・レイ・スミスでした。キマニからもイコのことをいろいろ聞いていたので、実際とてもスムーズに行うことができました。イコとは過去に一緒に仕事する機会が何度かあったんですが、スケジュールの関係等で流れてしまったことがあったんでね。最初に監督と会ったときに今回イコも出演するということは聞かされていたので、とても楽しみにしていました。

――谷垣さんが今回の仕事を受けるきっかけのひとつにも入っていたということでしょうか。

そう言っても良いかもしれないですね。やはりアクションが普通に出来る人が一人いると全体のレベルがグンと上がると思うので、そういう意味でもイコと一緒にやれてよかったです。今も連絡を取っていますし、共通の友人も多いのでこれからも一緒に仕事をする機会はあると思います。

――イコがアクションゲームのように戦うシーンが、スピード感があり、忍者らしさもイコらしさもあってとても面白かったです!

圓教寺でのシーンですね。このシーンはクリスマスの時期にわざわざインドネシアから東京に来てもらって、東宝スタジオでイコと一緒にやり取りしながら作ったシーンです。こちらで作ったアクションを一通り覚えてもらって、その上でイコが自分のやりやすいようにちょっと変えてもらって、それをまた一緒に調整していくというような作業で、そこは何かジャズのセッションのようで、とても面白かったですね。

イコとはバンクーバーの時に刀のアクションも練習していました。その時の映像はイコがインスタに載せています(笑)。最終的には、ヘンリー(スネークアイズ)もアンドリュー(ストームシャドー)も刀を使うことから、キャラクターの個性的な部分でイコの良さが活かされるのかという話になり、監督が「イコは刀を使わない。彼は素手だ」と言っていたので、素手のアクションを考えました。確かにいこの素早い手技はとても特徴的なので、それでよかったんだなと思えました。

――素敵なエピソードを教えていただきありがとうございます。谷垣さんが本作の中で特に好きな部分、手応えを感じている部分はどこですか?

セカンドユニットで撮影したシーンの中でも日本パートで撮影したものは、割と好き勝手にできたかなと思います。バンクーバーだと壊しもの一つとっても、SFXチームがいて、当初は彼らとのやりとりもお互いにやり方が違うので試行錯誤したんですけど、日本で撮影する頃にはお互いのやり方もわかるようになってたし、仲良くなった。大阪で焼き肉に連れて行ったら、「これからはお前のいうことだけを聞く」と言ってくれたので(笑)、そこからは更に遠慮なくやることができたかと思います。
日本パートの撮影では日本のスタントマンを大量に導入しましたが、ロベルト監督が「日本のスタントマンたちはみんな演技が素晴らしい。ちゃんと考えて演じている」と感心していました。そうそう、『ベイビーわるきゅーれ』の主演も務めている伊澤(彩織)さんもサマラ・ウィービングの吹き替えをやったりね。他にも細かいエピソードはいろいろあるんですが、話していいことと悪いことがあるんでそれは5年後ぐらいに機会があれば(笑)。

――いつかお聞き出来る日を楽しみにしております(笑)。ぜひ皆さんには大きなスクリーンで楽しんでいただきたいなと、私も思っています。今日はありがとうございました!

▲谷垣さんにいただいた、貴重なオフショット!

『G.I.ジョー:漆黒のスネークアイズ』
公開表記:10月22日(金)全国ロードショー
配給:東和ピクチャーズ

CAST:ヘンリー・ゴールディング、アンドリュー・小路、安部春香、平岳大、石田えり、
イコ・ウワイス、ウルスラ・コルベロ、サマラ・ウィーヴィング
監督:ロベルト・シュヴェンケ アクション監督、セカンドユニットディレクター:谷垣健治
エグゼクティブプロデユーサー:エリク・ハウサム、ジェフ・ワックスマン
プロデューサー:ロレンツォ・ディ・ボナヴェンチュラ

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