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仮面ライダーの撮影現場でも活躍するアイススラリーって何だ!? 今すぐできる熱中症対策、キーワードは「プレクーリング」


8月に入り夏本番を迎え、各地で35度以上の猛暑日を記録するなど厳しい暑さがまだまだ続きそう。気温が上がるとやはり気を付けたいのは、熱中症。ポカリスエットの大塚製薬は、熱中症予防のポイントとして「暑さ慣れ(暑熱順化)」「水分補給」「深部体温の上昇抑制」の3点を挙げて対策を呼び掛けている。

暑さ慣れには「1週間~10日間」かかる

熱中症とは、カラダが暑さに対応しきれず、体内の水分や塩分のバランスが崩れ、体温の上昇が抑えきれなくなる状態。暑さによって生じる障害の総称で、熱失神、熱けいれん、熱疲労、熱射病などの病型がある。

暑さの環境が同じであっても、熱中症が起きる人と起きない人がいる原因のひとつが、「暑熱順化」と呼ばれるカラダの“暑さ慣れ”。暑い日が続くと、カラダが徐々に適応して耐暑性が増強し、高温環境による生理的ストレスを軽減できるだけでなく、循環血液量が増え汗をかきやすくなるなど、様々なメリットが期待できる。

温熱環境生理学を専門とする横浜国立大学 教育学部 田中英登教授によると、「多少の個人差はありますが、暑熱順化は1週間~10日間で獲得できます」といい、本格的な暑さが来る前、5月から6月にかけて適度な運動を始め、サラサラとした汗をかけるカラダづくりをするのが理想だ。その一方で、今すぐにできる対策のひとつが「水分補給」。さらに近年、カラダの内側から効率よく冷やす方法として注目されているのが、「アイススラリー」の摂取による“プレクーリング”だ。

“深部体温の上昇抑制”にはプレクーリングが効果的

アイススラリーとは、細かい氷の粒子が液体に分散した流動性のある氷で、通常の氷に比べて結晶が小さく、その形状からより高い冷却効果が期待できる。

汗で失われるイオンを効率よく補給できるイオン飲料をベースとした製品もあり、身体外部からの冷却に対し、より簡便かつ実用的で水分や栄養も同時に補給できる方法として、活動前に摂取する(プレクーリング)のが望ましい。

「活動前のアイススラリー摂取によるプレクーリングは、体温の上昇を抑制することが報告されており、アスリートや過酷な労働現場に限らず、買い物や散歩、農作業の前など、日常生活においても熱中症対策への効果が期待できます」(田中教授)。

実際にテニスやサッカーの国際大会など様々なスポーツ分野でもアイススラリーの飲用が推奨されているほか、近年では熱中症リスクの高い建設業や製造業においても、作業前や休憩時の摂取を取り入れ、熱中症事故防止に一役買っている。

仮面ライダーの撮影現場でも活躍

映画やテレビ番組などの映像制作を手掛ける東映では、大塚製薬の協力のもと2020年7月頃より撮影現場にアイススラリーを導入しているという。東映 経営戦略部グループ戦略室兼ハイテク大使館の飯田友都係長に話を聞いた。

仮面ライダーなどの特撮作品の特性上やはり外ロケは欠かせず、岩場や崖といった日差しをさえぎるものがないロケ地も多い。スーツアクターやアクション俳優、撮影隊にとって、夏の暑さ対策は継続的な課題となっていた。

それまではこまめな休憩や水分補給に加え、送風機や氷のうでカラダを冷やしたり、時には水を張ったビニールプールを用意したりと、身体外部からの冷却が暑さ対策のメインとして用いられてきた。

アイススラリー導入のきっかけとなったのは、暑さによる撮影現場のパフォーマンス低下を解決するため、社内で開催されたハッカソン。特撮作品に関わるスタッフのほか、暑さ対策グッズのメーカーや産業医などを交えて、丸一日かけてワークショップを実施。その中で、有識者たちから共通して出てきた言葉がアイススラリーによるプレクーリングだったという。

「アイススラリーは初耳でしたが、ハッカソン後に調べていたら大塚製薬さんがアイススラリーの製品を販売していることを知り、作品でも繋がりがあったことから、担当者を通じてコンタクトをとりました」(飯田係長)。

その後は大塚製薬の一部サポートのもと撮影所にアイススラリー用の業務冷凍庫を設置し、撮影開始前のプレクーリングを関係者に呼び掛けている。導入にあたっては大塚製薬の担当者を招き、暑さ対策の基礎知識やアイススラリーの摂取に関するレクチャーも行われたという。

「スーツアクターの方にお話を聞いたところ、暑さの感じ方は変わらないけど、実際にアクションしていてもカラダが熱くなって頭がぼーっとするような、熱中症に近い感覚はだいぶ減ったという声をいただいています」「暑さ対策にあたって、複雑な手順やテクニックが必要なものだと現場からの理解が得られにくいのが正直なところですが、ポカリスエットの慣れ親しんだ味でアイススラリーを摂取するだけ、というのは撮影現場にフィットした対策だと感じています」(飯田係長)。

運動不足や汗かき不足など熱中症へのリスクが高まっているコロナ禍においては特に、「暑さ慣れ(暑熱順化)」「水分補給」とともに、「深部体温の上昇抑制」を助けるアイススラリーの摂取は、手軽な熱中症対策のひとつとして注目を集めそうだ。

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