株式会社ポプラ社は、児童向け文庫の新レーベル「キミノベル」を創刊。”キミとつながる、エンタメノベル文庫”と銘打ち、「創作」、「名作」、「ノベライズ」、「ノンフィクション・その他」と多岐にわたるラインナップを毎月刊行します。

おもしろい本を刊行するのはもちろん、あらゆる「キミ」が夢中になれる物語と出会える、コミュニティ型レーベルとして誕生。「キミノベル」のWebサイト「キミノマチ」は、小・中学生を中心とした本を愛する子どもたちも、普段はあまり本を手に取らない子どもたちも、一緒に楽しめるようなコミュニティ機能が充実していることが特徴です。

また、キミノベルと読者をつなぐ存在として、次世代アーティストの最先端を走る花譜さんがアンバサダーに就任。思わずワクワクしてしまう、プロジェクトMVを公開しています。

【動画】バーチャルシンガー・花譜×キミノベル プロジェクトMV『ソレカラ』
https://www.youtube.com/watch?v=LmoencIc40A

今回は、キミノベルの編集長・門田奈穂子さんに創刊のきっかけや、キミノベルの楽しみ方、門田さん自身が子供の頃夢中になった本など、お話を伺いました!

――「キミノベル」創刊のきっかけ、どの様な経緯でこのプロジェクトがはじまったのか教えてください。

門田編集長:読書の楽しさにハマる高学年の子どもたちに、最も読まれているのが児童文庫だと言っていいと思います。ポプラ社の児童文庫の歴史は古く、長く子どもたちに、名作から創作まで、安価で読みやすく、面白い本を届けてきました。しかし、子どもたちが面白いと思うものや、読みたいと求めるもの、イラスト・ビジュアルのセンスなどは、時代を経て、また社会の影響を受けて変化していきます。さまざまなチャンネルの登場、エンタテインメントの多様化、デジタル化が進み、その変化を大きく感じるようになりました。「今」、面白い作品を求める子どもたちに、ポプラ社として、自信をもって届けるべく、見た目も中身も新しい文庫を作ろうという声が高まり、「キミノベル」創刊に至りました。

――プロジェクトMVが話題ですが、バーチャルシンガー花譜さんを起用した理由を教えてください。

門田編集長:中学生の頃にSNSに投稿していたことがきっかけとなり、今バーチャルシンガーとして活動されている花譜さん。そんな彼女自身がもつ物語とキミノベルのコンセプトに親和性があると思いました。また、世の中の変化が大きい新しい時代の中で創刊するので、デジタルの世界とリアルな世界をつないでくれる存在としてキミノベルのアンバサダーになっていただき、普段あまり本を読まない子どもたちにも届けていきたいと考えています。

――MVが本当に素晴らしいクオリティでしたが、参考にした、意識した、リサーチした動画や楽曲、アーティストがいれば教えてください。

門田編集長:6つの小説(※)をひとつの映像にしていくという新しい試みだったので、動画や楽曲としてすごく意識したものはありませんが、MVでは花譜さんはじめとするファンアート文化が参考になりました。小説は文字だけで表現する世界です。これから物語と出会っていく子どもたちに読書の想像力は無限で、物語には色々な楽しみ方があることを伝えたいと想いました。ファンアートはそんな想いと通ずる部分があります。MVで6人のクリエイターの方々にそれぞれの手法で自由に描いていただきました。キミノベルという場でも読者が同じように感想やイラストを共有しあってもらえたらいいなと思っています。佐伯監督が、小説を読んだらもっと楽しめるようにディテールの隅々までこだわって仕掛けを詰め込んでくれましたので本とMVを行き来しながら楽しんでもらえたら嬉しいです!

(※「サイキッカーですけど、なにか?ようこそ、ウラ部活へ!?」「私は存在が空気」 「コトダマ!絶体絶命! クグツとの戦い」「図書室の怪談 悪魔の本」「時空レスキュー鉄火!ねらわれた万有引力」「ようこそ!たんぽぽ書店へ」)

――6つの小説のテーマ&キーワードで生まれた歌詞は編集部からの原案で作られたそうですが、どの様な意見が飛び交いましたか?
また、それをどうまとめられたのか教えてください。

門田編集長:小説には具体的な設定があり、キャラクター達が動き、ロングタームでストーリーが展開するのに対し、歌詞は短い分、ぎゅっと圧縮した感じや抽象性、メッセージ性が求められます。各作品の担当者たちはお互い「難しい!」と言いながら、それぞれの小説のテーマや核の部分を見極めて、フレーズやキーワードを取り出しました。異なる6つの世界を展開していただくので、それぞれが似すぎないように、なんとなく調整してお渡ししました。それらを水野あつさんが、まとめ、つなげて、すばらしい一つの曲にしてくださいました。

――今の子供たちのトレンドを研究されたかと思うのですが、驚いたことや気づきがあれば教えてください。

門田編集長:予想通りではありましたが、動画やゲームに費やしている時間や感情が多いですね。そのせいもあるのか、ビジュアルに対する感覚が洗練されていると感じます。キミノベルのフォーマットデザインを決める時に、実際に小学生たちに会っていくつかの中から選んでもらったのですが、よりシャープで新しい感じがする今の案に投票が集中し、投票理由を明確に言葉で書いてくれる子が多くて驚きました。アンケートをとると、見るもの、やること、好きなものはかなりいろいろばらけていましたが、意外と昔のコンテンツを知っていて、好きだという子が多かったのにも少しおどろきました。親と一緒に配信で昔のアニメを見たり、漫画を読んだりしているようです。面白いものは、変わらず面白いという作品の力と、それを面白いとととらえられる子どもの読解力も実感しました。

――公式サイトに掲示板やイラストコーナーがあって交流が出来る様になっていましたが、この様な場所を作った意図、どの様に使って欲しいですか?

門田編集長:新しくレーベルサイトを作るなら、人とつながることができるサイトにしたいという想いがまずありました。キミノベルは、コロナ禍でなかなか人と会うことができない状況のなか、ひたひたと創刊準備を進めていたので、よけいにそう思ったのかもしれません。そうでなくても、現代は、生活や価値観が多様化し、個を大事にするようになっていい面もある一方で、お互いを受け入れあわなかったり、存在に気づかなかったりし、分断を感じることも多くなりました。その傾向は、なんだか嫌だなと。

さまざまな本の感想を共有したり、同じテーマで意見を述べあったりすることで、世界が広がります。また、人とつながることが、読書や、毎日の生活、生きることのモチベーションになると思います。そういう場をつくっていけたら、と考えました。また、編集部ももっと読者とつながりたい、という気持ちがあります。

掲示板の書き込みには、「わかる」とか「すてき」と思ったら☆マークを押せるようになっています。たくさん☆が押された書き込みは、「注目」「人気」「大人気」と表示が変わっていくので、書き込んだ人も、☆を押した人も、反応を実感できるのではないでしょうか。編集部からも、必ずひと言コメントします。いずれ掲示板に、本の作者が現れることもあるかもしれません。サイト「キミノマチ」の中で、だんだん仲良くなれたら嬉しいですね。

投稿は編集部が確認してアップするため、反映に少しタイムラグが発生してしまいますが、がんばって更新していますので、ぜひ毎日訪れて、いろいろな本や、人と、出会ってほしいと思います。

――門田さんが小学生の頃に読んで、影響を受けた本、好きだった本があれば教えてください!

門田編集長:ポプラ社だから言うわけではなく、「ズッコケ三人組」シリーズ(那須正幹 著)を夢中で読んでいました。冒険やミステリー、ホラー、SF、1冊ごとにいろいろな世界に触れられて、刺激的でした。それから「ぽっぺん先生」シリーズ(舟崎克彦 著)。湿っぽさ、仄暗さのあるファンタジー世界に心地よく取り込まれ、少し大人っぽいユーモアにも魅せられました。どちらも、シリーズで好きな世界をたくさん読めるのも嬉しかったのだと思います。

1冊選んでと言われたら、『銀河鉄道の夜』(宮沢賢治 著)と『クローディアの秘密』(E.L.カニグズバーグ 著)です。1冊じゃないですね。後者は、12歳の優等生の女の子(クローディア)が、計画的に家出をして、メトロポリタン美術館をアジトにするところになんとも痺れました。家出にも憧れていたので。ほかにもいろいろあるんですけど、この質問、何冊まで答えていいですか?(笑)

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情報提供元:ガジェット通信
記事名:「「普段あまり本を読まない子どもたちにも届けたい」「交流で世界が広がるサイトへ」童向け文庫の新レーベル『キミノベル』門田編集長にこだわりを聞いた!