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期待の新鋭監督が語る心理スリラー『イット・カムズ・アット・ナイト』 「ホラーではなく観る人に考えさせる映画」



“それ”に感染すると死ぬ世界を舞台に、感染の恐怖から疑心暗鬼に陥っていく2つの家族を描いた極限心理スリラー『イット・カムズ・アット・ナイト』が11/23より日本公開。撮影当時弱冠27歳だったという88年生まれの新鋭監督トレイ・エドワード・シュルツ監督のインタビューが届いた。


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自身で脚本も手がけたシュルツ監督。この物語を書いたのは父を亡くし、悲嘆に暮れているときだったと言う。「父が亡くなったとき側にいたのですが、後悔の念に苛まれている父の姿を見て、そういった悲しみの中からこの脚本が生まれました。そういう悲しみをより大きな社会の中でのあり様として捉えたかった」


物語の中で、家族の命を大切に思うあまり過剰な行動を起こしていく主人公についても触れ、「“自分の家族を守るのはどういうことなのか”、“やりすぎの線はどこにあるのか”、“自分の家族を守るためにどこまで人間性を失っていいものか”とか、そういった問題提起をしているんです。だから僕にとってはとてもパーソナルな映画でもあり、かつフィクションでもあって、いろいろな要素が入った作品ができました」と語っている。



また、本作で主人公を演じ、製作も務めたジョエル・エドガートンについては、「自分が出演しているシーンや自分の芝居だけでなく、このシーンがストーリー全体の中でどういう位置づけなのか全体を意識しながら芝居をして、いろいろなアイディアを提案してくれる。そのどれもが素晴らしいアイディアなのです」と絶賛。


観る者に衝撃を残すであろうラストシーンについても、「ジョエルは脚本の段階から共同作業してくれていた。実はラストシーンは彼のアイディアからあるシーンを入れることになりました。映画作りは人とのコラボレーションの中で出来上がっていくものだから面白いと思っていて、そういう素晴らしいコラボレーションがジョエルとできたわけです」とその貢献を語っている。ジョエルを“友人”とも“素晴らしいコラボレーター”とも思っているという監督は、「尊敬の念もあるので、彼の事を“パパジョエル”と呼んでいます」と意外な呼び名も明かした。



しかしながら、本作について観客から誤解されていることも多いと言う。「いろんな人に観てもらい、期待していた映画と違うという声を聞くのでちょっとトラウマになっているんですが(笑)、この映画はれっきとしたホラー映画や、ハラハラする恐怖映画ではありません。いろいろ考えさせる映画で、観客が観てそれぞれに解釈してくれれば僕にとっては嬉しいです。観客を引き込んで感情を呼び覚ますような、そして観た後に深く考えさせるような、そういう読後感を味わってほしい」と本作の見方をアピールした。


日本での上映については「行ったこともない日本という国で自分の映画が公開されるというのはにわかには信じがたいのですが、今そういう状況が起こっているということに感動しています」と謙虚な喜びを語った。


作品概要


『イット・カムズ・アット・ナイト』

配給:ギャガ・プラス

11月23日(金・祝)、新宿シネマカリテほか全国順次公開


STORY

“それ”から逃れるため、森の奥深くで隔離生活をするポール一家のもとに、ウィルの一家が転がり込んできた。上手く回り

始めたかに見えた集団生活。ところが飼い犬が森の中で何者かに向かって吠えた後、そのまま一直線に森の奥へ走り消えたその夜、

事態が一変。家族たちは疑心暗鬼に陥り、全てが狂い始め・・・


公式サイト:https://gaga.ne.jp/itcomesatnight/</a>



ホラー通信の元記事はこちら


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