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「野菜は栄養豊富」は嘘? 日本の野菜の栄養価が低下し続ける理由


12年間にわたり世界中をめぐっている著者が、現地の健康&食べもの情報を毎週お届けします。


 


軽のキャンピングカーで稚内から南アフリカまでドライブしてきた、つがいの旅ガラスです。

民泊している家のオーナーは、近所の庭や空き地を畑とするミニマム農家。

庭いっぱいに牛糞が蒔かれ、堆肥作りのコンポスターが大活躍です。


収穫日の今日、緑色のトマトや萎びた大根、ちっちゃなメロンやらなにやらをいただきました。

野菜なんだか果物なんだか、よくわからなかったのが↓


ペピーノという果物。味はメロンに似ています。 

 


なんとなくほうれん草に似てなくもないのが↓


フダンソウです。ヨーロッパではスイスチャート。茎が赤くなります。

 


よくわからない緑色の葉っぱは↓


ルッコラでした。

 


クレオパトラも食べた、ローマ時代の惚れ薬「ルッコラ」。


ルッコラはハーブの一種で、イタリア人がピザの上に載せるものです。

イタリアに行ったことがないのに偉そうに解説して恐縮ですが、ローマ時代のルッコラは、惚れた相手を「その気にさせる」惚れ薬。いやらしい漢字を使えば、淫靡薬。


精力剤として利用され、若い僧がルッコラを食べて不祥事を起こしたりしたので、仏教で言うところの禁葷食(きんくんしょく:食べてはいけない野菜)。ニラやにんにくみたいな、無駄に元気が出る野菜です。


そんな精の付くものを食べて次々と英雄を手玉にとった女傑が、クレオパトラ。

彼女にあやかって、このローマ帝国伝承の精力剤を食べまくれば新しい人生が開けそうですが、EUの決まりではルッコラは1日50gまで。ボウル1杯分です。


どうやら、硝酸塩という成分が体によくない。食べ過ぎは、ガンの危険性が高まる可能性があるのでご用心です。


 


野菜不足の日本人、栄養不足の野菜。


さて、厚生労働省によると、日本人は野菜不足です。

1日の摂取目標値350gに対して、成人の達成率84%。

ナニかと達成率の悪い人生を送っている筆者にしてみれば、8割を超えていれば万々歳なんですが、そう呑気に構えていられない別の理由があります。


文部科学省に言わせると、野菜そのものが栄養不足です。

意味がわかりますか?

野菜に含まれる栄養分が、減っているのです。


2010年までの過去50年間で、にんじんのビタミンAは81%も減っています。

5本以上食べてやっと昔の1本に追いつくレベルですから、食べるに追いつく栄養なしってレベル。

ほうれん草のビタミンCは、77%も減少。

キャベツのビタミンC、アスパラガスのビタミンB2、玉ねぎのカルシウムは半分になりました。


子供のころ、もっと野菜を食えと母親に言われてたわけですが、母さん、野菜にこそ「もっと食え!」って言ってください。話はそこからです。


 


そもそも土が栄養不足? 野菜が栄養不足になる理由。


なんでそんなに栄養不足になったのか、野菜にインタビューしてきました。


——にんじんさん、今どきは肥料なんか食べ放題なんじゃないですか?

——手取り足取り育てられてるんじゃないですか、玉ねぎさん?


それがですね……と、栄養失調の野菜が語ります。



「旬じゃない時期にも植えられて、一年中休みなく収穫されたんじゃ、栄養も減るってもんです」


「その証拠に、旬のときは栄養価は高いのです」


「それとですね、ついでに言っときますと、みなさん味とか見た目で判断してますよね、野菜のことを。だから最近は、見てくれ勝負の外来種だとか品種改良ものばっかじゃないですか」


「あいつらは、そもそも栄養が足りないのです」


「それと肥料はですね、確かにありがたくいただいています」


「ただ、肥料の栄養が偏ってまして、窒素やリンとかカリウムばっかり。栄養はバランスよくとってこそ、栄養になるのです」


「でもって、昔みたいに肥溜めとか使わないから、土が痩せるんです。
20年以上も前にアメリカの野菜が言ってましたよ、85%も土のミネラルが減ったって」


「ヨーロッパは、72%減」


「アジアだって76%も減っているんです、ミネラル」


土に栄養がないんじゃ、どうもならんのです



 


トマトやかぼちゃの栄養は増えている!


野菜のご高説はごもっとも。

しかし、野菜の栄養は減っていないとする一派もいます。

野菜の栄養減少の根拠は、文部科学省の「日本食品標準成分表」ですが、

成分の分析法が時代とともに変わるので単純に比較しにくいし、トマトやかぼちゃのように栄養価が増えた野菜もあるじゃないか、というのが彼らの主張です。


また、過去50年間の数多の論文を寄せ集めると、野菜の栄養価にたいした差はないという説があります。

これは有機栽培と通常栽培の比較ですけど、参考までにどうぞ。


 


少子化対策にルッコラ。


野菜の栄養が減ったにしろ増えたにしろ、確実に増えているのはエンゲル係数と野菜の値段ですから、野菜不足を解消するには、まず給料アップです。

で、ルッコラだけ消費税を安くしたら、精力がついて少子化対策になります。

ボクらはもう精はいらないので、せいぜい精進野菜を食べて野菜クズをコンポスターへ。

未来の子供たちへ、栄養の贈り物です。


そこのお若いの、勝負デートのときはピザをどうぞ。


 


石澤義裕(いしざわ・よしひろ)

デザイナー。1965年、北海道旭川市生まれ。札幌で育ち、東京で大人になる。出版社勤務、デザイン事務所、編集プロダクションなど複数の会社経営の後、2005年4月より建築家の妻と夫婦で世界一周中。生活費を稼ぎながら旅を続ける、ワーキング・パッカー。世界中の生の健康トレンド情報をビジネスライフで連載中。

<参考資料>

ディア・ナチュラル「本当は空っぽ!?野菜の栄養価とビタミンとミネラルのお話。」

GRAIN “Earth matters (in Japanese)”


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