株式会社x gardenは2021年6月17日(木)、株式会社NTTドコモと共同で、「ドコモオープンイノベーションクラウド」とNVIDIA社が提供する「NVIDIA CloudXR」を活用した実証実験の結果を発表しました。
本実験では、リモートレンダリングにより「高精細建築デザインのVR可視化」に成功しています。
NTTドコモと共同実験へ
今回行われた実証実験は、x garden社とNTTドコモが共同で行ったもので、3D画像や動画など高精細映像を伝送する際に、クラウド上での処理速度向上が可能となる新たな技術
「XRリモートレンダリング」
をNVIDIA社・VMware社の協力のもとで実現しています。
実証実験は、株式会社矢野青山建築設計事務所が作成した3D建築モデルを用いて行われており、「ドコモオープンイノベーションクラウド」上でレンダリングした3Dデータを、複数人が着用したOculus Quest2へ同時にストリーミング配信して表示させるという内容で実施されています。
大容量の高精細3Dモデルが体験可能に
今回の実験の最大の特徴は、クラウド上でレンダリング処理を行うことによって高性能ワークステーションの代わりとし、
・高速大容量
・低遅延
の特長をもつ5Gネットワークを通じてリアルタイム伝送することで、VR機器単体では投影が難しかったような高精細3Dモデルを体験できるようにした点となっています。
いつ・どこででもハイクオリティな体験が可能
近年建築設計事務所では、空間の大きさや素材の質感などを顧客に直観的に把握してもらうため、計画段階の3DモデルをVR空間上で実物大を見てもらう”VRで内覧”が普及しています。
その一方で高解像度のモデルを用いる場合は、投影するVR機器と3Dモデルを可視化するための高性能ワークステーション(ハイスペックPC)が必要になり、これらを運ぶ都合上、運用場面が限定されてしまう課題が存在しています。
またVR空間を複数人数の同時体験などに対応させたい場合でも、機器や環境の準備の問題から難しいといった問題もあります。
今回の実証実験はこれらの問題を解決することを目的としており、5Gの通信機器(モバイルルータ)とVR機器(Oculus Questなど)を用意するだけで、従来の方法では見ることのできなかった高精細な3Dモデルを、複数人数で同時に視聴することを実現しています。
この技術が実用化されれば、3Dモデルの質を下げることなく高い品質のリアルなモデルを、どこでも手軽に施工主やクライアントに紹介することが可能になります。
そうすることによって、建築物の魅力をより伝えやすいなどの効果が見込まれることが期待されています。
検証パートナーの公募へ
この技術を採用したMEC・クラウドレンダリング技術の活用は、建築業界だけではなく
・服飾やキャラクター制作
・製造現場におけるCAD制作
・映画などで多用される3Dグラフィックス制作
など様々なシーンでの応用が期待されています。
スポーツ会場やエンターテイメント施設などにおける、多人数で遊ぶARゲームにも利用することができ、従来よりも非常に高精細なグラフィックスと、レイテンシーの低い体験の提供も可能になります。
そこで今後、x garden社はこのような技術の本格的な導入を目指し、NTTドコモと共に技術検証パートナーを広く公募していくとしています。
まとめ
x garden社が今回、MECと5Gを組み合わせたXRリモートレンダリングの実証実験をNTTドコモらと共同で実施しました。
その結果Oculus Quest2による「高精細建築デザインのVR可視化」に成功しています。
これによってVRによる内覧でも、高品質感などを顧客側に伝えやすくなることを実現しており、その他エンターテイメントやスポーツ業界にも導入されれば、圧倒的なリアルさの体験ができるようになります。
この技術が実用化されれば、いつでもどこでもより現実に近いVR体験ができるようになることが期待できそうです。
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