伊藤忠インタラクティブ株式会社は2021年2月3日(水)、フェンリル株式会社と共同で、低コストで簡単にVR空間を構築できるウェブサービス「VR VENUE」を開発、サービスの提供を開始したことを発表しました。
伊藤忠とフェンリルが「VR VENUE」を共同開発
今回サービス提供が開始された「VR VENUE」は、伊藤忠インタラクティブ(IIC)社とアプリケーション開発などを手掛けるフェンリル社が共同開発したVRサービスで、自由なVR空間を構築することができます。
同サービスで構築したVR空間は、ウェブブラウザを用いて従来のホームページと同じ感覚でアクセスすることができ、この空間を簡単に低コストで、企画・開発・運用までをワンストップで提供します。
スマホやPCでアクセス可能!会話も楽しめる
このシステムはオープンソースである”Hubs Cloud”をベースに開発されており、アマゾンウェブサービス(AWS)上のクラウドサーバ環境で動作するため、コンテンツ管理システムを含むVR空間の公開を可能にしています。
ユーザはHMDや特別な機材・ソフトウェアのインストールなどをする必要がなく、スマホやPCからいつ・どこからでもVR空間へアクセスできます。
空間内には好みのアバターで参加することができ、会話などを楽しむこともできます。
またVR空間運営者は、各社オリジナルのVR空間を低コストで簡単・スピーディーに構築することができます。
第一弾はCTC社の「Innovation Space DEJIMA Digital」
同サービスを利用した事例の第一弾として、伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(CTC)が運営する、オープンイノベーションを目的としたスペース”Innovation Space DEJIMA”をウェブ上に再現した「Innovation Space DEJIMA Digital」のシステムが開発されています。
その中では、日本的なアバターを利用したコミュニケーション設計が行われ、デジタルの中に温かみを感じさせる世界観がプロデュースされています。
この空間では、これまでリアル空間のDEJIMAで展開されてきたオフラインイベントに加え、どこからでも参加できるオンラインイベントなどが展開されていく予定になっています。
IICでは今後、「VR VENUE」を活用し、
・ウェブブラウザで簡単にアクセス可能な
・低コストかつ高クオリティな
バーチャルオフィスやバーチャルイベントスペースの構築やウェブVRサービスの開発、提供を行っていく計画をしており、それらの空間を活用した、先進的なデジタルマーケティングの企画、運用も展開していく予定になっています。
コロナ禍でも「人のぬくもりを感じる」コミュニケーションツールへ
このシステムは、ウェブサービスの開発・デザインを強みとするIIC社とデジタルデザインの大老舗であるフェンリル社という、デザインを軸として長く実績のある2社が協業して開発しており、冷たい印象を持たれがちなVR空間内に日本ならではの愛着の湧く親近感を追求したUXの実現を目指しています。
両社は、コロナ禍でも「人のぬくもりが感じあえるコミュニケーションツール」をテーマに、サービス展開を行っていく予定だとしています。
また今回のサービス提供にあたり、それぞれのコメントが公開されています。
<IIC社 担当者コメント>
コロナ禍の中で、未曾有の価値観の転換が起こっています。
リアルイベント等の規制が強化されリアルの接点が失われている中、その代替手段としてVRが期待されていると思いますが、リアルの代替としてのVRだけではなく、従来のウェブサイトの役割それまでも、担っていくのではないかとも考えております。
いままでのインターネット体験をさらに進化して、日本のVRのインフラとなっていくようなサービス創出に挑戦していきたいと考えております。
<フェンリル社 担当者コメント>
今までVRのサービスは、高い演算能力を要する専用のハードウェアやソフトウェアが必要でしたが、Hubs Cloudの登場により、我々が一般的に使っているウェブブラウザでも、軽快に動作する環境が整ってきたことに驚くとともに、従来のウェブサイトで表現しきれていなかったインタラクションを、「VR VENUE」の世界で体験できるようになることは、ウェブサイトを次の次元に引き上げる技術だと確信しています。
Hubs Cloudは、世界中の開発者が日々機能を追加しており、活発な技術革新が行われていますので、「VR VENUE」の開発は、インターネット黎明期のようなワクワクした感覚が蘇りました。
「VR VENUE」で、より安全・安心な、心地いいコミュニケーションインフラを作りたいと思います。
まとめ
伊藤忠インタラクティブ社とフェンリル社が、ウェブVRサービス「VR VENUE」を共同開発し、提供を開始しました。
このサービスは、自由なVR空間を低コストで簡単に構築することが可能です。
事例第一弾にあるように、コロナ禍でも安全に集まれる多目的スペースなどを開設することができそうですね。
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