ウェアラブルARコントローラーの「LITHO」で知られるLITHO社は、ARビジュアルを映画プロジェクトにドロップできる新しい映画効果アプリ「ジオラマ」をリリースしました。
爆発シーン満載のアクション映画やモンスターが登場するホラー映画からしったりした本格ドラマまで、ほぼ全てのジャンルの映画で役に立つデジタルエフェクトや小道具が利用できます。
直感的に特殊効果撮影ができる「ジオラマ」
「ジオラマ」はスマートフォンとウェアラブルARコントローラー「LITHO」を組み合わせて動作するアプリで、撮影中にリアルタイムでデジタル小道具を映画に追加できます。
撮影で使用するための多数の小道具がプリインストールされており、Google Polyを介してモデルをアップロードすることで独自のモデルをインポートすることも可能です。
ちなみに、グーグルは2021年の6月にGoogle Polyを閉鎖することを発表しているため、近いうちにSketchfabへの対応が予定されています。
小道具となるデジタルオブジェクトはLITHOコントローラーを使って簡単・直感的に配置することができます。
デジタルプロップを配置する方向に手を向け、親指ですばやくタップまたはスワイプしてオブジェクトをドロップするだけです。
単に配置するだけでなくアニメートして頭上を移動したり飛んだりさせたり、ボディトラッキングを利用して登場人物の動きに合わせる演出をつけることもできます。
さらに、「ジオラマ」には、InstagramやSnapchatと同じように、映像の雰囲気を変えるためのフィルターも用意されています。
ザック・スナイダー監督の作品のようにダークな雰囲気にしたり、逆にロマンティックで希望あふれる作品のために明るい色味を与えることも可能です。
「ARアプリではなく映画制作アプリ」
LITHOのCEOでウェアラブルARコントローラーの開発者であるNat Martin氏は「ジオラマ」について以下のように語っています。
ARを使用していますが、「ジオラマ」をARアプリとは見ていません。「ジオラマ」は映画製作アプリだと考えています。
映画製作者や誰にとっても非常に簡単に使用でき、小道具や環境を映画に取り入れることができます。
とはいえ、映画製作でARとVRを使用することは新しいアイデアではありません。
2014年版「ゴジラ」で知られるギャレス・エドワーズ監督は、スターウォーズのスピンオフ映画「ローグワン」での撮影の際、VRを使用して最適なカメラの角度を見つけました。
また、「ファーストマン」や「ソロ:スターウォーズ ストーリー」などの映画は、ARで補強されたLED背景を使用して撮影されたものです。
いずれもハリウッドメジャー系スタジオの作品であり、インディーズ系の監督では扱えるものではありませんでした。
しかし、「ジオラマ」の登場によって、独立系の映画製作者はこれまでハリウッドの大規模スタジオでしか利用できなかったのと同じタイプの視覚効果を利用できるようになります。
はるかに少ない予算でどうにか撮影を行おうとする若手クリエイターにとって素晴らしい選択肢です。
まとめ
ARを使って簡単に特殊撮影ができる映画撮影用アプリが登場しました。
Adobe AfterEffectsやCinema4Dなどのソフトウェアを利用するよりも速く、安く、直感的な特殊効果撮影が可能です。
これまでもARを使って特殊効果を楽しめるアプリはありましたが、操作が難しかったり自由度がそこまで高くないといった不満点がありました。
今回の「ジオラマ」は、直感的にデジタルによる特殊効果を使えるようになり、多くのクリエイターに自らのイマジネーションを表現する途を開くものです。
予算不足でも高度な特殊効果が利用できるので、これまで埋もれてきた才能も登場しやすくなるのではないでしょうか。
日本国内でもLITHOと「ジオラマ」を駆使した作品が登場してくるかもしれませんね。
参考:AR-Powered Movie-Making App ‘Diorama’ Lets You Drag-And-Drop Digital Props &Effects[VR Scout]
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