麻布大学は2020年11月30日(月)、獣医外科学実習の授業においてゴーグル型のVRヘッドセットを用いて360度カメラで撮影したVR動画を視聴することで、高い臨場感で体験できるシステムを開発し、獣医学系大学で初めてVR技術を採用した教育を開始したことを発表しました。
開発された体験システム

VR ヘッドセットを装着した映像
今回、獣医学教育のために開発されたシステムは、VRヘッドセットにiPhoneを装着してVR動画を視聴できるものです。
麻生大学 獣医学部獣医学科 小動物外科学研究室の高木哲准教授によって開発されました。
同学では24セットが導入され、360度カメラにより撮影した3D動画を同時に24名の学生が視聴可能です。
学生は、VR技術の特性を活かした没入感のある、高い臨場感の3D動画によって、手術や処置の手技を学ぶことができます。
現在用意されているコンテンツは、
・イヌの去勢手術
・手術の準備・消毒
・気管挿管
の3種類となります。
特徴
全学生がベストポジションで視ることができるため、実習に効果的な事前学習が可能です。
またVRヘッドセットを付けて頭を上下・左右に向きを変えると、連動して動画の視点が変わるので、様々な角度の視点から手術の様子などを視ることができます。
そのため、手元だけでなく、全体の様子や雰囲気もわかり、一般動画では実現できない教育効果があります。
獣医外科学実習について

獣医外科学実習
獣医外科学実習は、
・器具や機材VRBA
・減菌や消毒法の手技
について外科手術に必要な基本的な技術を習得し、外科手術の基礎を学び、実践する授業です。
獣医学教育でのVR活用の効果
VRの活用は、学生によるアンケ―ト結果からみて満足度が高く、教育効果の向上が期待できます。
また、動物を使用した手術(手技)などを何度も繰り返して実施する必要がないため、動物個体の負担を軽減することもできます。
このシステムは同時に多数の学生が視聴できるため、教育の効率と質の向上に役立ちます。
高木哲准氏コメント
以前より、動画の教育コンテンツを制作してきた経験を活かしてVR技術を採用しました。
研修獣 医師、大学院学生、動物看護師の協力による撮影により、本学オリジナルのコンテンツ制作にチャレンジしました。
撮影は、やり直しの効かない1発勝負のライブ撮影のため、高い技術が求められます。
本学の学生用にオリジナルの動画コンテンツを制作することで、正確な手技の指導ができること以外に指導者の熱意がリアルに伝えられるなどのメリットを感じます。
制作に参画するスタッフにとっても貴重な経験となり、若手獣医師の獣医学系教員としてのキャリアパスにもつながることが期待できます。
360度動画の撮影品質向上には、映像教育の専門家として愛知淑徳大学藤田良治先生のご協力により、獣医学教材として効果的な撮影が実現できました。
本教材以外にオンデマンド実技映像も順次開発しており、その編集には学部学生の協力を得て、教育効果の高いコンテンツを制作しています。
まとめ
このシステムは同時に多数の学生が視聴可能で、様々な角度の視点から手術の様子などを視ることができるため、一般動画では実現できない効果が期待できます。
動物を使用した手術を何度も実施する必要がないため、動物個体の負担軽減となることも大きなメリットですね。
獣医学教育でVR採用は例のない先進的な取り組みとのことですが、今後は獣医学分野にもVRの活用が広がっていくことを期待したいです。
ソース:「麻布大学 VRを活用した獣医学教育」に関するリリース[PR Times]
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情報提供元:VR Inside
記事名:「麻布大学がVRを活用した獣医学教育を実施!外科学実習の教育効果が向上へ」