VRが普及するにつれて大きな課題となるのがプライバシーの問題です。

特にOculusの最新ヘッドセットQuest2ではログインのためにFacebookアカウントが必要となり、VR利用に際して個人情報を守れるかが懸念材料となっています。

そんな中、米国スタンフォード大学のとある研究結果がVRユーザーから注目を集めています。


一般的なVR視聴環境でユーザーを識別可能

一般的なVR視聴環境でユーザーを識別可能

画像:Road to VR

スタンフォード大の研究チームによると、「特別な識別タスクなしで、ごく典型的なVR視聴環境」でユーザーを識別するシステムを考案したとしています。

具体的な実験の内容は、HTC Viveを装着した被験者にランダム化された360度ビデオのセットから5つの20秒動画を視聴させるというものです。

動画は、ユーザーがどのように反応して動くかを確認するようにできており、動物などの強い焦点を含むものもあれば、森の真ん中のように焦点がまったく認識できないものもあります。

次にこの動画を見て頭・両手がどのように動いたかの追跡データを機械学習アルゴリズムに追加しました。

被験者の身長、姿勢、頭の回転速度、VRコンテンツからの距離、静止しているコントローラーの位置、およびそれらの方法のプロファイルを作成しました。

実験に参加した511人について、「1人あたり5分未満の動作追跡データでトレーニングされた場合」、95%のユーザーを正しく識別することができるとのことです。



「VR動作データを保護する方法の研究が必要になる」

OculusとHTCという、現在VR業界で最も有力な2つのメーカーのプライバシーポリシーを見ると、両方ともに匿名化されたデータを共有することが許可されています。

そのため、スタンフォード大の論文では

匿名化されたデータのルールに従って動作追跡データが共有されている場合、原則として何が約束されているかに関係なく、実際にはデータセットから自分の名前を削除してもほとんど成果がありません。

という指摘がされています。

となると、VRプラットフォームのアカウントにログインするかどうかは、動作追跡データの重要性を考えるともはや大した問題ではありません。

VR企業は、動作追跡データという匿名化されたデータを使って、ユーザーが誰であるかを識別できるだけでなく、習慣を予測しどんなことに関心を寄せているかを理解することによって高いレベルの正確性をもつマーケティングプロファイルを作成可能です。

VRの普及によって動作データはかつてないほど重要性を増しており、様々な用途がある一方悪用の危険性も高まりました。

そのため、研究論文ではVR研究者に向けて、

この研究は、日常のVR体験中に動作データを取得することが、大きなサンプルでも効果的な識別タグであることを示唆しています。ですので、VR追跡データを保護する方法を模索することをお勧めします。

との提言をしています。

まとめ

スタンフォード大の研究によると、VR動作データを使えば500人余りのVRユーザーを95%の精度で識別することが可能です。

かなり精度が高いと感じますが、実際頭と両手の動きのデータだけでは今後数百万人規模にまで拡大が予想されるVRユーザーに対しては識別が困難になると思われます。

現時点でVRを使う私たちの個人データを心配する必要はないでしょう。

しかし、これからVR業界において研究が進むアイトラッキングやマウストラッキングといった技術を追加することで数多くのVRユーザーを識別できるようになる可能性があります。

そのため、自由なVR空間を維持するためにも個人情報、個人識別データの保護に関するルールやシステムの構築が望まれるところです。

参考:Stanford Research Shows VR Users Can Be Identified Using Only 5 Minutes of Motion Data[Road to VR]








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情報提供元:VR Inside
記事名:「5分の動作追跡データがあればVRユーザーは識別可能!スタンフォード大の調査で判明