Magic Leap、5億ドルを超える資金を調達。調達資金総額は20億ドルを超えることに

2017年10月19日 11:10:00
テクノロジー
VR Inside

MRデバイス「Magic Leap」を開発中のMagic Leap社は、シリーズDの資金調達を実施し、5億ドル超える資金を集めた。

有力企業から支援されるMagic Leap

同社の発表によると、今回の資金調達で出資された金額は5億200万ドル(約570億円)にのぼる。

出資した企業は、シンガポール政府が運営する優良投資会社Temasekを筆頭に、Alibabaグループ、Google LLC、そして老舗投資銀行J.P. Morgan Investment Managementが名を連ねている。

今回の資金調達に関して、Magic Leap社CEOのRony Abovitzは以下のようにコメントしている。

わが社は、今回Temasek社および新たな出資者に資金を出資いただけたことを、とても歓迎しております。

また、わが社の既存株主の方からの手厚いサポートとパートナーシップにとても感謝しております。

期待を集め続けるMagic Leap

いまだ開発版のデバイスすらリリースしていない同社だが、Tech業界の期待を一貫して集めてきた。以下では、そんな同社の軌跡をまとめる。

アメリカXR投資市場を左右する企業

2017年7月、調査会社Digi-Capitalは、2017年第2四半期のアメリカXR投資市場の動向をまとめたレポートを発表した。

そのレポートには、2011年第1四半期から四半期ごとの投資総額を表したグラフが掲載されていたのだが、2014年第4四半期と2016年第1四半期がとくに投資総額が多くなっている。このふたつの四半期が突出している理由は、この時期にMagic Leapへの大型投資があったからだ。

また、海外メディアUplaodVRがまとめたところによると、同社は2015年に8億2,700万ドル、2016年に7億9,400万ドルの資金を集めており、今回の資金調達と合わせるとすでに約21億ドル(約2,300億円)の資金を調達していることになる。

映画「スター・ウォーズ」のコラボ・コンテンツ発表

同社が開発するMagic Leapが革新的な未来を切り開くと予感させる出来事が、2016年6月に起こった。

2016年6月16日、ニューヨークで開催れたWIRED Business Conferenceで、同社はLucasfilm’s ILMxLABと共同でスターウォーズ関連のコンテンツを制作することを発表した。

その発表において、プレミア動画を公開し、後にツイッターにも投稿された。その投稿が以下。

We’re teaming up with #Lucasfilm to bring the force to the real world.https://t.co/ANgvFsVVvI

—Magic Leap (@magicleap) 2016年6月16日

以上の動画を見ると、類似のデバイスであるHoloLensと同等か、あるいはそれ以上のグラフィック性能がうかがえる。この動画によって、同社への期待感が高まったのは言うまでもない。

開発中のデバイス画像が流出。不安が拡散

しかし、2017年2月には同社から開発中のデバイス画像が流出する事件が起こった。

流出画像を掲載したのは海外メディアBusiness Insiderなのだが、その流出画像とは以下のような完成するのが危ぶまれるものであった。

この流出画像騒動の時、ささやかれたのが同社が部品の小型化に難航しているという噂であった。同社はその開発過程を徹底して秘密にしていることもあり、一部では製品リリースを不安視する声もあがった。

ついに出荷か？

2017年9月、ついに出荷の報じる記事が現れた。

海外メディアBloombergは、同社がが6ヶ月以内(つまり2018年3月までに)に初めてとなるデバイスを出荷する計画を立てていると報じた。

同メディアによれば製品の出荷に関する情報は、この計画に詳しい3名の人物からもたらされた、とのこと。それゆえ、公式な発表ではないのだが、出荷ははじめに小規模なグループを対象に行われ、価格は1,500ドルから2,000ドル（16.6万円から22.1万円）の間だとしている。サイズはメガネよりは大きくVRヘッドセットよりは小さいとのことだ。

以上のリーク情報が本当であるならば、Magic LeapはHoloLensより低価格ということになり(HoloLens開発版は3,000ドル)、現時点ではHoloLensの独壇場になっているハイエンド型ARデバイス市場を割って入ることが予想される。

公式サイトがリニューアル

2017年9月27日には同社公式サイトのリニューアルが行われた。

製品出荷のリーク情報が流れた後の公式サイトのリニューアルだけに、ついに出荷に向けて準備しているのではないか、という予測が広がった。

今回の資金調達とこれまでの同社の軌跡を総合して考えると、Magic Leapの第1製品がリリースされる時期が近づいているのだはないか、と見ることができる。そして、Magic Leapがリリースされたあかつきには、XR市場における勢力図は大きく変わるだろう。

ソース：Magic Leap

https://www.magicleap.com/stories/news/magic-leap-series-d-funding

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