日本でETCが普及した大きな理由は、ETC休日割引やETC深夜割引などのさまざまなETC割引が受けられるようになったことです。しかし、ETCには料金所などで起きる渋滞の解消という目的もあり、とくに渋滞が数多く発生している首都高速と阪神高速には、走行ルートを変えることで高速料金自体がお得になる仕組みがあるのです。

ETC限定で環境ロードプライシング割引

首都高速と阪神高速は、ETC利用・現金利用に関わらず原則、走行ルートにより通行料金が変わることはありません。しかし、両社には走行ルートを変えることでよりお得になる仕組みを早くから導入。それが首都高速湾岸線・阪神高速神戸線で現在も実施中の「環境ロードプライシング割引」です。

環境ロードプライシング割引は、その名の通り環境負荷を減らすために導入された割引制度です。阪神高速の場合、神戸線の沿道で争われていた公害訴訟で阪神高速側が敗訴。神戸線の通行量を減らすことを迫られた阪神高速が、大型車限定で湾岸線への迂回に設定した割引が環境ロードプライシング割引でした。

阪神高速でロードプライシング割引が開始されたのは2001年11月1日で、ETCサービスが全国的にスタートする2001年11月30日より前のことでした。そこで、ロードプライシング割引は当初現金でも利用可能でしたが、現在はETC限定となり、大型車・特大車のほかETCコーポレートカード利用の中型車(要登録)が割引対象です。

首都高の環境ロードプライシング割引

阪神高速の環境ロードプライシング割引は基本30%オフ(ルートにより10~15%オフ)ですが、実際には使いづらい割引となっています。というのも、阪神高速の湾岸線と神戸線は直接接続していないため、乗り継ぎ特例はあるものの途中で一般道や有料の港湾道路「ハーバーハイウエイ」を利用する必要があるためです。

その点、阪神高速に遅れてスタートした首都高速の環境ロードプライシング割引は、首都高速から降りることなく利用できるのが特徴です。こちらの割引も、阪神高速同様に首都高速横羽線の沿線住民との公害裁判で首都高速側が敗訴したのが導入のきっかけでした。

首都高速のロードプライシング割引は大型車・特大車限定で、神奈川県方面の走行で横羽線の浅田ランプ~大師ランプを湾岸線へ迂回走行した場合に適用されます。割引率は神奈川県内のみの場合20%(上限料金1000円)、神奈川県内~空港中央・湾岸環八ランプが15%、それ以外が10%です。

首都高に都心流入・湾岸線誘導割引

これまでの走行ルートによる割引は、中型車以上でないと利用できないものでしたが、首都高速が実施中の「都心流入・湾岸線誘導割引」は全車種が対象。こちらは、神奈川県内と東京都心部間の走行で横羽線を使わず湾岸線利用へ迂回した場合に適用され、大黒JCT~浮島JCT間の通過が割引条件です。

都心流入・湾岸線誘導割引の対象となるランプは、神奈川県側が横羽線の東神奈川ランプと三ツ沢線・狩場線で、東京都心側は都心環状線内と台場線・湾岸線の臨海副都心ランプ~湾岸環八ランプです。そして、割引が適用されると上限料金が普通車900円となり、それ以下の場合は通常のETC料金となります。

例えば、横浜市内中心部の三ツ沢ランプから銀座ランプへ向かう場合、横羽線を利用すると距離は短いもののETC利用時の通行料金は普通車1220円。一方、湾岸線へ迂回すると950円となり270円割安。割引率にすると22%となり、各種首都高速の割引のなかでもおトク度が高いものとなっています。

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情報提供元:ラジオライフ
記事名:「走行ルートで料金が変わる首都高のETC割引とは