NHK受信契約は一般家庭の場合、1世帯につき1契約を結ぶことになっています。このため、テレビを1台しか持たない人も、テレビやレコーダーを何台も持つ人も同じ1契約です。これでは不公平では…と思う人も多いかもしれませんが、このNHK受信契約の仕組みは70年以上続いていて、ラジオ放送しかなかった時代までさかのぼるのです。

NHK受信契約はかつては台数分だった

一般家庭のNHK受信契約が世帯ごとに変わったのは、戦後まもなくの1948年のこと。当時、NHKはいまのような特殊法人ではなく社団法人日本放送協会で、いまのNHK受信料に相当する「聴取料」を、ラジオを設置した人から徴収していました。当時はいまとは違い、ラジオ設置を電波監理委員会へ届け出る必要がありました。

ラジオ聴取料の仕組みは、大正時代に相次いで開局した、NHKの前身にあたる東京放送局・名古屋放送局・大阪放送局の時代からあり、当初ラジオ聴取料はラジオの台数分かかる仕組みでした。ラジオ設置の届出では、各家庭で持つ台数も記載する必要があり、各家庭ではラジオの台数分だけ聴取料を支払っていたのです。

しかし、1948年1月8日にいまでいう放送法施行規則にあたる「放送用私設無線電話規則」が改正され、ラジオの設置台数の届け出が不要となり、聴取料も台数分ではなく設置場所ごとの徴収に変更されました。ちなみに、このときの改正で、携帯型ラジオは保管場所を設置場所とするといった内容も追加されています。

NHK受信契約は事業者は設置場所ごと

現在の放送法には、NHKと視聴者がNHK受信契約をどのように結ぶかについてはっきりと書かれていません。これは、放送法が最初に発効した1950年6月1日当時も同じで、NHKのラジオ放送を受信できる設備を設置した人はNHKと受信契約を結ばなくてはならないといった内容にとどまっています。

しかし、NHK受信契約の詳細を決めた「日本放送協会受信規約」には1948年の放送用私設無線電話規則改正が引き継がれ、一般家庭のNHK受信契約は1世帯1契約となりました。NHKはその理由として「受信機の普及状況、契約締結の確実性、視聴者感情等を考慮し、社会的納得性の高い契約単位」であると説明しています。

一方、事業者については一般家庭と異なり、NHKによると事業者の契約単位は「構内」→「聴取施設」→「受信設備」と変わり、1967年からは「設置場所ごと」となっているとのこと。この「設置場所ごと」の解釈を巡っては民事裁判も数多く行われ、現在はホテルであれば各部屋ごとといった判例が確定しています。

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情報提供元:ラジオライフ
記事名:「NHK受信契約が「世帯」ごとになった意外な理由