2020年5月に、コロナ対応に追われる医療従事者へ感謝を込めて、東京都内の上空を編隊飛行した航空自衛隊の「ブルーインパルス」。2020年度の航空祭はすべて中止となったため、貴重なフライトになりました。この時のパイロットとの交信に使われた周波数は「東京TCA」の256.100MHz。このTCA(ティーシーエー)は、空港のターミナルコントロールエリアを管制しているエアーバンドです。

TCAは大空港に設置される管制エリア

進入管制席(APP)や出域管制席(DEP)といった、ターミナルレーダー管制が実施される空港周辺の進入管制区に、有視界飛行方式(VFR:人間の目で確認しながら飛行する)で飛行する小型機やヘリコプターが入ってくることがあります。

この場合も、管制席とコンタクトするのがルールです。計器飛行方式(IFR:目視と計器を元に飛行する方式)で飛行する旅客機などの動向を無線で知らせたり、待機や針路変更などの指示を出すためです。

しかし、混雑する大空港では、VFR機への指示が遅れる可能性があります。そのため、進入管制区の中にVFR機への対応を行う、「ターミナルコントロールエリア(TCA)」を設定し、ここでは専用の周波数が使われます。コールサインは「空港名+TCA」です。

TCAにはブルーインパルスもコンタクト

VFR機がターミナルコントロールエリアを飛行する場合、パイロットはTCAを呼び出してレーダーモニターをリクエストします。VFR機は、スコーク(squawk)と呼ばれる4ケタの数字を「1200」に設定していますが、レーダーモニターを受けるためには個別の数字を設定します。

スコークの数字がTCAの管制官から伝えられると、パイロットはスコークを設定。すると、TCAの管制官はレーダー画面で航空機の位置を確認。TCA業務がスタートします。

TCA業務は、他の航空機との距離を知らせたり、進入の順位や待機に対する助言、目的地に向かうためのレーダー誘導などです。交信には英語だけではなく、日本語も使われるので聞きやすいのが特徴です。

平日はマスコミのヘリや消防ヘリなどが多数コンタクトしてきたり、クリスマスや花火大会シーズンには遊覧ヘリが、休日はスカイダイビングの航空機がTCAと交信するなど、季節や時間帯によって聞こえてくる交信もさまざまです。

また、ブルーインパルスがTCAにコンタクトして、レーダーモニターを受ける場合も多いため(周波数はUHF帯を使用)、注目しておきたい周波数でしょう。

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情報提供元:ラジオライフ
記事名:「ブルーインパルス編隊飛行のパイロットの周波数