犬も歳を取ると体のさまざまな部分が鈍くなって運動能力が衰えるので、今までできていたことができなくなることがあります。筋力が徐々に衰えていき、大好きな散歩にすら行きたがらなくなることもあるでしょう。
中には体力だけではなく、認知症などのメンタル面での問題を抱えることもあります。飼い主さんとってはつらい状況ですが、その中でも愛犬が最大限快適に過ごせるように環境を整えてあげたいですね。
シニア犬にとって快適な環境とは?
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個体差が多少ありますが、大型犬なら5歳から6歳、小型犬なら7歳から8歳を目安に少しずつ変化が現れ、シニア犬の時期がスタートします。
犬は環境の変化の順応性があまりないので、シニア期に入る少し前の段階から徐々に飼育環境を見直すことをお勧めします。ここでは、シニア犬のために見直すと良い飼育環境をいくつかご紹介します。
室温に気をつけよう
暖かい空気はお部屋の上にたまりやすいのに対し、冷たい空気は床付近にたまりやすい性質があります。
犬は歳を重ねるごとに体温調整が難しくなっていきます。犬は人間より低い位置で生活しているので、私たちが思うよりも寒く感じているかもしれません。愛犬の保温はエアコンだけに頼らずに、ホットカーペットなどを併用して暖かい状態を保ちましょう。
できるだけ段差をなくそう
今まではなんともなかったちょっとした段差もつまずくようになるかもしれません。お部屋の中の環境ができるだけバリアーフリーになるように工夫しましょう。構造上どうしても段差を取り除けない場合には、スロープをつけることで対処できます。
床で滑らないように工夫しよう
一般的な住居の床はフローリングが多いですが、シニア犬にとってフローリングの床は滑りやすく歩きにくいです。この状態を解消するためには、毛足の短いカーペットやコルクマットを敷くことで対処できます。
そのほかにも、滑り止め効果のあるワックスも活用できるでしょう。このような一工夫で、愛犬が安心して家の中を歩けます。
家具の配置を工夫しよう
シニア犬になると徐々に視力が衰えてくるといわれています。ですから、家具の出っ張りや角などには注意しましょう。家具の角にコーナーガードなどを設置することで対処できます。愛犬が普段歩く動線を確保し、その場所には障害となるものを置かないでください。
愛犬の視力が衰えてから家具の配置を変えてしまうと、場所が分からずに戸惑ってしまう可能性があります。愛犬が元気なうちから準備してあげればこうした事態を防げますし、慣れた環境でシニア犬の時期を迎えられるので安心です。
トイレは行きやすい場所に置こう
シニア犬になると、筋肉や関節の衰えからトイレに間に合わず粗相してしまうことが考えられます。普段よく居る場所にトイレを近づけたり、思い切ってトイレを増やしたりすることで解決できるでしょう。
トイレの場所を急に変えてしまうと、愛犬はトイレがどこにあるのか分からなくなってしまうので、少しずつ位置を変えてあげるようにしてくださいね。
フード皿を見直そう
シニア犬になるとごはんを食べるために頭を下げることもつらくなるかもしれません。ですから、愛犬の大きさに合わせて高さがある程度できるように対策しましょう。
あまり深いお皿は食べにくいので、餌が飛び散らない程度に平らなものを選ぶと食べやすいです。お皿の形状によっては犬が食べること自体めんどくさく感じる可能性もあるので、食べやすい形状のお皿を選んでください。