「猫金縛り」という言葉をご存じでしょうか?これは造語ですが、猫の行動と飼い主さんの関係を上手に表現したものです。
猫金縛りとはなんでしょうか。また、愛猫が「猫金縛り」してくる理由とはなんでしょうか。今回は、飼い主さんが睡眠中に襲われる猫金縛りの正体についてご紹介します。
まるで金縛り状態!?ちょっとほっこりする「猫金縛り」とは?
pexels.com
猫金縛りと聞くと、ちょっと怖いイメージを抱く方も多いでしょう。しかし実は、「猫金縛り」とは飼い主さんをちょっと困らせる猫の行動を指しています。
この「猫金縛り」、きっと猫を飼っている皆さんも体験したことがあるはずです。
金縛りとは
まず、通常の金縛りについて簡単にご説明します。
金縛りとは、睡眠中にいきなり身動きが取れなくなり、意識はあるのに声が出ない、息苦しさを感じるといった症状や経験のことです。いわゆる「霊的なもの」と考える人も多いようですが、実は医学的また科学的なものだといわれています。
金縛りとは1つの睡眠障害であり、体は眠っているのに脳が起きているときに生じます。体は寝ているので動かすことができませんし、脳が夢を見ている場合もあり、夢と現実を混同しやすいという特徴があります。そのため、「何かが聞こえた」といった経験をする方が多いようです。
猫が身動きを封じる「猫金縛り」
では、「猫金縛り」とはどのような状態を指すのでしょうか。これは通常の金縛りとはまったく原因は異なるものの、眠っている人が身動きを取れなくなったり、息苦しく感じたりするというという点では似ています。
猫金縛りは、猫が寝ている飼い主さんの上に乗ってくることで生じます。猫の大きさにもよりますが、約5kgのおもりが体に乗ってくるので体は重いと感じます。また、愛猫が頭の上に乗ってきたりなんかすると、口や鼻がふさがれ息苦しく感じてしまいます。
飼い主さんが寝苦しさから目を覚ましても、体を動かせません。なぜなら、自分の体の上で愛猫が気持ちよさそうに寝ているからです。
このように、猫金縛りとは猫特有の行動と、飼い主さんが愛猫を思うゆえに起こる特殊な出来事なのです。
猫が飼い主さんの上に乗ってくる理由とは?
pexels.com
多くの飼い主さんは、いわゆる「猫金縛り」を1度は経験したことがあるに違いありません。
猫はどうして飼い主さんが寝ているときに上に乗ってくるのでしょうか。その理由と猫の心理をこれからご紹介します。
温かいから
「猫はこたつで丸くなる」という言葉があるように、猫は温かい場所が大好きです。人間には体温があるので程よく温かく、触れ合うことでそのぬくもりを体感できます。
普段、飼い主さんは座っていたり立っていたりするので、猫もずっと触れ合うことができません。そのため、飼い主さんが横になって寝ている時が猫にとっては暖を取るチャンスです。
もちろん、これはお互いにメリットがあります。飼い主さんも愛猫から伝わってくる温かい体温を感じることができるでしょう。
信頼の証
これは、猫が猫金縛りしてくる動機として必ず当てはまるものです。
猫は信頼している相手にしか近寄りません。警戒心が強い猫であればなおさらでしょう。ですから、飼い主さんに近づくだけでなく、上に乗ってくるというのは信頼の証だといえます。
飼い主さんもそんな猫の気持ちが分かるからこそ、余計に動けなくなるのでしょうね。
甘えている
飼い主さんに甘えたくて乗ってくることもあります。特に、愛猫がリラックスしていて喉をゴロゴロ鳴らしながら乗ってきた場合は、「甘えたい」という理由です。
飼い主さんを自分の母親のように慕っているのです。「撫でてほしい」「近くにいるだけでうれしい」という気持ちで乗ってきてくれます。
また、飼い主さんの上に乗った後に、前脚を交互に前後させて飼い主さんのおなかを揉むかもしれません。これは、猫の「ふみふみ」と呼ばれる行動であり、小さいころ母猫のおっぱいを揉んで母乳の出を良くするときの行動です。
甘えたい気持ちになると小さいころの習慣がでてしまうといわれており、飼い主さんへ信頼の表れでもあります。
安心したい
猫はもともと野生動物ですから、一番安心できる場所を探す動物です。それは、自分の縄張りだったり寝床だったりします。飼い猫でも同じ傾向は残っており、それが飼い主さんの近くである場合も多いです。
単純に、眠たいので一番安心できる飼い主さんの近くに寄ってくることもあります。また、体調が悪かったり精神的に不安定になったりした時に、安心感を得たくて飼い主さんの上に乗ることもあります。
猫の不安な気持ちを察することがきたならぜひ、穏やかに接してあげましょう。
起こしたい
要求のために、あえて飼い主さんに乗る猫もいます。寝ている飼い主さんに「起きて!」と言いたいのです。
「ごはんが欲しい」「一緒に遊んでよ」「扉を開けてよ」と飼い主さんに要求してきます。朝、飼い猫に上に乗られて起きることがルーティーンとなっている人もいるはずです。