犬は相手を見分けるために「視覚」「聴覚」「嗅覚」をフルに活用します。画面越しではにおいは届けられないので、スマホの中の飼い主さんを見分けるために「嗅覚」を使うことはできません。
犬は「視覚」と「聴覚」のみでも、ある程度相手を見分けられるといわれています。例えば、テレビで犬の映像を見て、それが「犬」であるということを認識します。ということは、ある程度は飼い主さんを認識できるといえるでしょう。
犬はどの程度情報を理解できる?
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犬は嗅覚が最も優れていますが、目や耳から取り入れた情報をどれくらい認識できるのでしょうか?
人であることは分かったとしても、大好きな飼い主さんであることが分かるのかどうか、これから取り上げます。
耳からの情報
スマホなどの機械越しの場合、人の声は少し変わります。この少しの変化を犬が理解できるかできないかには個体差があります。
中には、電話から聞こえてくる飼い主さんの声を聞いて玄関まで探しに行く犬もいます。飼い主さんの声を聞き分けて、帰ってきたと勘違いしてしまうのです。
このことから、犬によってはスマホからの飼い主さんの声を聞き分けられるといえます。しかし、声の出所が分からずに飼い主さんを探したり、スマホの裏側を確認したりするかもしれません。
目からの情報
犬は動体視力が人間より優れています。また視野も広く、180度の範囲が見えているといわれています。このような目で画面を見るとどうなるでしょうか?
一般的に、犬はテレビなどの動画はパラパラ漫画のようなコマ送りの状態で見えているといわれています。色の認識は人間より少なく、赤みはほとんど分からず、すべてが青みがかった世界を見ています。
しかし、色についてはテレビなどの動画に関わらず実際の世界でも同じなので、飼い主さんを見分けることにはほとんど影響がありません。
それよりも、サイズの方が問題です。スマホの画面に飼い主さんの顔だけが映り、体が見当たらないので、犬は飼い主さんの存在を理解することを難しく感じます。たとえ全身を映したとしても、画像が圧縮されて小さくなっているので、頭の中で世界を再現することはできません。
愛犬にスマホに反応してほしい時はどうしたらいい?
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犬は画面でサイズ感を認識できないので、小さい画面ではなく大きめの画面のスマホを用意しましょう。できれば、タブレットの方がいいかもしれませんね。顔をアップにするのではなく、少し引きぎみでビデオで映したほうが認識してもらえます。
犬の脳はトーンの高い声に反応します。スマホ越しに話す時はなるべく明るく高めのトーンで話しましょう。反対に、低く暗いトーンで話してしまうとあまり反応して貰えません。
どうしても反応してくれないなら?
犬がスマホに触れるはどうかは個体差があります。臆病な犬の場合はスマホを怖がることもあります。そういった犬には一緒にいる時にスマホに慣れさせることで、恐怖心を取り除けるかもしれませんね。一緒に動画などを見て、スマホは楽しいものと教えてあげましょう。
愛犬の中には、何をしてもスマホに興味を示さない場合もあります。そのような時は無理強いせず、あきらめましょう。無理強いすればするほど愛犬はスマホが嫌いになってしまいます。
犬はスマホを操作できるの?
スマホの画面は犬の肉球でも反応します。ということは、物理的に犬がスマホの操作をすることは可能です。
あとは、操作方法を覚えてもらうだけですね。犬は学習能力に優れています。根気強く訓練するなら、電話をかけることはできなくても、飼い主さんからの電話を受けられるようになるかもしれません。
犬にスマホを与えるときの注意点
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スマホの「ブルーライト」はとても強く、愛犬の目に負担がかかります。あまり長い時間画面を見せないようにしましょう。ブルーライトカットのフィルムを貼ることで対策することもできます。
犬は物の価値が分かりません。丁寧な扱いもできないでしょう。あまり最新の高価なスマホを与えると、壊された時のショックが大きいです。使い古しの物で十分でしょう。
愛犬に適当に操作されてしまい、知らないうちに課金されないようにクレジットカードなどの情報は消しておきましょう。犬による高額請求は笑えません。
割れた画面のスマホやタブレットは愛犬に触らせないでください。割れたガラスで肉球を怪我することがあります。
まとめ
スマホ越しで愛犬と会話できたら、少し長い時間の留守番も安心ですね。近い将来に犬専用のスマホも夢じゃないかもしれません。愛犬の好奇心を刺激して、スマホに触れてもらいましょう。
見守りカメラなど一方通行のコミュニケーションツールより、交互にコミュニケーションを取れるので、使い方をマスターしたら愛犬もいつでも飼い主さんと繋がっていることを実感できますね。無理強いせずに根気よく訓練していきましょう。