室内犬は基本的には家の中から出ることができません。室外犬でも柵で仕切られた庭の中を歩くだけしかできませんし、首輪とリードで行動範囲が限られている場合も多いです。
そんな飼い犬たちは散歩が大好きです。しかし、楽しいはずの散歩で飼い主さんが心配になってしまうほど、犬が苦しそうな姿を見せることがあります。
それは、愛犬が飼い主さんよりも前に出て、強引にリードを引っ張っていく時です。当然、首輪で強く締め付けられてしまいます。非常に強い力で引っ張るので、飼い主さんも「苦しくないのかな?」と心配になってしまうものです。
そんな飼い主さんたちの不安にお答えするとともに、愛犬たちがリードを引っ張る理由を解説していきます。
犬はリードが苦しくない?
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犬はリードを強く引っ張るとき苦しくないのでしょうか?
飼い主さんが抵抗しても強い力で引っ張り続けるので、ふと「そこまで苦しくないのかも?」と疑問に感じてしまうものです。
実際のところはどうなのか、犬の本当の気持ちをご紹介します。
当然首輪は苦しい!
答えはすごく簡単です。犬たちも当然リードを引っ張ることで苦しいと感じています。
特に、首には太い血管が流れていますし、呼吸するための空気の通り道もあります。当然、強い力で引っ張るなら首を絞められたように感じるはずです。呼吸しづらくなり、血流も妨げられます。程度や首が締まる時間によっては気分が悪くなることもあります。
危険な状態になることもある
犬たちが「ちょっと苦しい」と感じるぐらいであれば、飼い主さんが配慮してあげるだけで良いはずです。
しかし、犬たちは危険な状態になるまでリードを引っ張ることをやめないこともあります。なぜなら、犬自身が苦しいことに気が回っていない(気付いていない)ことがあるからです。
それで、飼い主さんたちは「苦しそうだな」で終わるのではなく、なんとか状況を改善するよう対策してあげましょう。
どうして犬は自らリードを引っ張るの?
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では、犬はどうしてリードを自ら引っ張るのでしょうか。
決して苦しくても平気なわけではありません。前項で少し触れたように、「苦しいことに気付いていない」場合があるのです。
何が原因でそのような状況になるのでしょうか?いくつかの理由をご紹介します。
興奮しているから
一番大きな理由には「興奮」があります。
犬たちは散歩中にどうしても興奮しやすくなります。見たことの無い景色や動物を見てハイになってしまうのです。外では獲物も見つけやすく、家の中では刺激されにくい狩猟本能が掻き立てられることも多いです。
興奮しているときは周りが見えなくなりますから、飼い主さんを無視して前進しようとします。首が絞まっていても「苦しい」という気持ちを忘れて、興味を満たすことに思いが向いてしまうのです。
運動不足
運動不足が原因となっている場合もあります。
普段から散歩にあまり連れていってなかったり、広い場所で前進運動させていなかったりすると、散歩時に何とかその運動欲を満たそうとします。当然、飼い主さんの思惑と異なり、前へ前へと走っていくようになるわけです。
主従関係が逆転しているかも?
主従関係が逆転している可能性もあります。
そもそも犬が飼い主さんのいうことを聞こうとしていないので、自分が主導権を持ちたがるわけです。「散歩に連れて行ってもらっている」というよりは、「散歩に連れて行ってあげている」と考えている可能性もあります。
恐怖
恐怖ゆえに、急いでその場から離れようとする場合もあります。
犬が怖がっているのであれば、飼い主さんは犬の気持ちを尊重してあげて、できるだけその場からすぐに離れてあげてください。
あえて引っ張ってその場に留め、苦しい思いをさせつつ、恐怖に耐えるよう強制してはいけません。
リードで苦しそうになる犬への対策
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リードで苦しそうにしている犬にはどのように対処すればよいでしょうか?対処的な方法と、根本原因をなくす方法がありますが、その両方をお伝えします。
ハーネスを使う
こちらは対処的な方法です。犬自体のリードを引っ張る傾向がなくなるわけではありませんが、首輪でなくハーネスを使うことで、強く引っ張っても苦しくなくなります。
引っ張ってしまう傾向はすぐに無くならないので、一時的にハーネスを活用するのも良い方法です。
しつけ(トレーニング)
根本的な対策として、トレーニングをして引っ張る傾向を無くすこともできます。
絶えず自分の隣を歩くよう意識してください。徐々に飼い主のペースに合わせて歩くことを覚えてくれます。次第にリードを緩めていても、隣を歩いてくれるようになるでしょう。
頻繁に散歩する
興奮したり運動不足が原因だったりする場合、普段から頻繁に散歩することで、散歩による興奮度を低下させることができます。
散歩が当たり前になれば、引っ張って苦しくなることもありません。