はじめに

海外旅行の一部解禁が報じられるなか、自由に海外を旅するにはまだ時間もかかりそう……。そこで、国内でも海外の風景を感じられる絶景、「日本のなんちゃって◯◯」を集めてみました。なんちゃってとはいえ、侮るなかれ! そこには大自然の生み出した造形美や長い日本の歴史の1コマを刻むものなど、深いストーリーが秘められています。本当に海外の絶景を感じられるのか、さあ、その目で確かめに行ってみませんか?

“なんちゃってイタリア・ナポリ” 錦江湾・桜島(鹿児島県)

「東洋のナポリ」といえば、鹿児島・錦江湾と桜島。城山展望台からは錦江湾に浮かぶ雄大な桜島が望めます。この姿がナポリ湾にベスビオ火山を擁するイタリアの街を彷彿とさせることから、古くから「東洋のナポリ」と呼ばれてきました。 △ナポリの街とベスビオ火山(イタリア)

実は鹿児島とナポリの関係は意外に古く、1549年、鹿児島に上陸したザビエルに洗礼を受けた鹿児島の青年がナポリ経由でローマを訪れ、イタリアに最初に上陸した日本人となったそうです。姉妹都市になった現在も、両市の間で親善使節団の交流などが行われています。


◆錦江湾・桜島
住所:鹿児島県鹿児島市城山町22
電話:099-298-5111(鹿児島市観光交流センター)

“なんちゃってカリフォルニア” 千葉フォルニア(千葉県)

アクアライン木更津金田I.C.から約10分の袖ヶ浦海岸。広々とした道路にヤシの木が映える景色がまるでアメリカ西海岸、カリフォルニアのようだといわれ、通称「千葉フォルニア」と親しまれています。 △カリフォルニアの道路(アメリカ)

まっすぐと続く道路がアメリカらしさを感じさせ、車好き、バイク好きに人気のスポットです。日中でもアメリカ西海岸の雰囲気を十分楽しめますが、とてもきれいなサンセットビューが見られる夕暮れ時がおすすめです。写真映えする景色を存分に味わってみてはいかがでしょうか。


◆千葉フォルニア
住所:千葉県袖ケ浦市南袖
電話:0438-62-3436(袖ケ浦市観光協会)

“なんちゃってアマルフィ” 雑賀崎(和歌山県)

写真提供:(公社)和歌山県観光連盟

太陽に照らされ輝く白亜の家々が建ち並ぶ、美しい海岸線。映画の舞台としても度々登場するイタリア・アマルフィとよく似た光景を楽しむことができるのが、和歌山市南部の和歌の浦の一角、雑賀崎(さいかざき)。雑賀崎漁港に架かる奥和歌大橋から見える山の斜面に家々が密集して並ぶ風景が似ていることから、近年「日本のアマルフィ」と称されています。
△アマルフィの街並み(イタリア) ©Boss Tweed

昼間の景色もおすすめですが、特に美しい時間帯は夕方。晴れた日の夕暮れ時に訪れると、後方からの夕陽を浴びて美しい色に染まっていく、何ともロマンチックな光景が眼前に広がります。


◆雑賀崎
住所:和歌山県和歌山市雑賀崎
電話:073-433-8118(一般社団法人 和歌山市観光協会)

“なんちゃってトンガリロ国立公園” 御釜(宮城県)

絶景の宝庫であるニュージーランド北島のトンガリロ国立公園にあるエメラルドレイク。ここにそっくりと話題なのが、宮城県と山形県県境にある蔵王の御釜(おかま)です。標高1,674m、太古の噴火で生まれたといわれる直径400mの湖は、さまざまな鉱物が溶け込むことで神秘的なエメラルドグリーンに輝く水を湛え、蔵王連峰のシンボルとして人気の観光名所です。 △トンガリロ国立公園のエメラルドレイク(ニュージーランド)

また、この湖水の色は、エメラルドレイク同様に時間や天候になどの条件によって白っぽく濁ったり、少し赤味を帯びたりと微妙に変化することから「五色湖」と呼ばれています。


◆御釜
住所:宮城県刈田郡蔵王町遠刈田温泉倉石岳国有地内
電話:0224-33-2215(蔵王町農林観光課)

“なんちゃってピピ島” ヒリゾ浜(静岡県)

タイの美しすぎる楽園といわれるピピ島にそっくりなのが、南伊豆のヒリゾ浜。船でしか行くことができない場所のため、手つかずの自然が残されたビーチです。半島先端で切り立った崖に覆われていることや黒潮の通り道であることなど様々な条件が重なり、伊豆の中でもその海の透明度はまさに衝撃的な美しさ! △ピピ島のビーチ(タイ)

しかも海中には貴重なエダサンゴも群生し、南国から回遊してくるカラフルな熱帯魚が見られる、シュノーケリングには絶好のポイントになっています。海外に行かずともきれいな海に感動する、まさに奇跡の場所です。


◆ヒリゾ浜
住所:静岡県賀茂郡南伊豆町中木
電話:0558-62-0141(南伊豆町観光協会)
※普段は立ち入り禁止、夏の間だけ渡船可能

“なんちゃってパイネ国立公園” 仏ヶ浦(青森県)

青森県、下北半島。その西海岸に位置する仏ヶ浦(ほとけがうら)は白緑色の奇岩が約2kmにわたって連なる絶景スポットです。神秘的な巨岩群は如来の首・五百羅漢・一ツ仏・親子岩・十三仏観音岩・天竜岩・蓮華岩・地蔵堂・極楽浜など仏の名にちなんで名前が付けられており、その総称が仏ヶ浦といわれます。 △パイネ国立公園(チリ)

白い岩肌の奇岩が乱立する様子がまるでチリのパイネ国立公園のようだと話題を呼んでいます。グリーンの海と津軽海峡の荒波が削り上げた大自然の造形美は日本とは思えない大迫力! 陸路でも行くことができますが、観光船に乗って海から上陸するのがおすすめです。


◆仏ヶ浦
住所:青森県下北郡佐井村
電話:0175-38-2111(佐井村総合戦略課)

“なんちゃってマチュ・ピチュ” 北沢浮遊選鉱場跡(新潟県)

相川の北沢地区に密集する鉱山の近代化に貢献した施設群、北沢浮遊選鉱場跡(きたざわふゆうせんこうばあと)。かつては東洋一とうたわれた鉱石の処理場ですが、佐渡鉱山の大規模な縮小とともに淘汰され、操業からわずか20年足らずで閉鎖しました。 △マチュ・ピチュ(ペルー)

敷地内にはレンガ造りの発電所や鋳造工場跡などが残り、廃墟化した遺跡に蔦が張り巡った様がラピュタやマチュ・ピチュのようだと評されています。観光シーズンに合わせて夜のライトアップも催されるので、また違った光景を楽しむことができます。


◆北沢浮遊選鉱場跡
住所:新潟県佐渡市相川北沢町3-2
電話:0259-27-5000(一般社団法人 佐渡観光交流機構)

おわりに

いかがでしたか? まるで海外のような景色が見られる国内のスポットをご紹介しました。なんちゃって海外旅行を味わいに、ぜひ足を運んでみてください。
情報提供元: 旅色プラス