はじめに


スペインには、多くの観光スポットがあります。
そんな中でも、古都トレドは「もし、1日しかスペインに居られないのなら迷わずトレドへ行け」と言われているほどの場所。
今回は、世界遺産にも指定されている「古都トレド」の魅力や見どころをご紹介します。

スペインの世界遺産・古都「トレド」とは?


古都トレドは、現在はトレドの旧市街地となっています。

トレドはスペインのカスティーリャ=ラ・マンチャ州の首都で、首都マドリードからは71kmの距離にあります。

トレドの中でも「古都トレド」と呼ばれる旧市街地は、タホ川に囲まれた岩山の上にあり、昔は天然の要塞都市として機能していました。

ユダヤ教、イスラム教、キリスト教という3つの宗教が共存する場所であるため、それぞれの宗教観から影響を受けた建造物が残っているんです。
1986年には、旧市街地全体が「古都トレド」として世界遺産に登録されたことでも有名ですよ。

スペインの世界遺産・古都「トレド」の歴史


古都トレドには、先史時代から人が住んでいたようです。
そして、西ゴート王国の首都となり、栄えていきました。

しかし711年に、ウマイヤ朝から征服され、イスラムの支配下に……。
11世紀に入ると、キリスト教のレコンキスタが侵攻します。

12世紀から13世紀に入ると、トレド翻訳学派と呼ばれる学者たちが活躍。
古代ギリシア・ローマ時代の哲学・神学・科学の文献が、ユダヤ教徒、イスラム教徒、キリスト教徒たちによって翻訳されました。これが西ヨーロッパの12世紀ルネサンスに、大き影響を与えたといわれています。

1561年まではトレドは宮廷所在地として機能していましたが、フェリペ2世がスペイン王国の首都をマドリードに定めます。そのため、トレドは徐々に衰退し、現在の姿となったのです。

スペインの世界遺産・古都「トレド」は町全体が博物館


古都トレドは、スペインの中でも、“最もスペインらしい街並み”といわれています。

ユダヤ教、イスラム教、キリスト教という3つの宗教と文化が入り混じった街並みは、独特の雰囲気を放っているんです。

また16世紀に首都がマドリードになったため、それ以降大きな改革がないまま、15世紀の街並みが残されました。

そのため、古都トレドは「町全体が博物館」と称されることもあるほど、貴重な存在となっています。


スペインの世界遺産・古都「トレド」の見どころ


古都トレドに訪れたら、絶対におさえておきたいのが「トレド大聖堂」です。
スペイン=カトリックの総本山ともいわれていますよ。

1226年に着工し、1493年に完成したスペインゴシック様式の最高傑作で、スペインで一番の大きい大聖堂なんです。

大聖堂の内部は、大理石の床や複数の礼拝堂、そして約750枚というステンドグラスに彩られた荘厳な造りとなっています。

特に17世紀に入ってから装飾された金色のパイプオルガンは、まるで天上の楽器をそのまま表現したかのような、豪華で神々しい雰囲気を作り出していますよ。

スペインの世界遺産・古都「トレド」のおすすめグルメ


古都トレドに訪れたら、必ず食べておきたいグルメが「カルカムサ」です。

カルカムサは、トマトで様々なお肉を煮込んだ料理なんです。
多くのレストランで提供されている人気メニューですが、今回おすすめするレストランは「LA ABADIA」です。

名物のカルカムサはもちろんのこと、世界中のビールが飲めるお店なんですよ。

豚肉をじっくりと煮込んだカルカムサは、口の中でお肉がほろほろと溶け、味わいが広がります。絶品ですよ♡

◆LA ABADIA
場所:Plaza de San Nicolas, 345002 Toledo ESPAÑA
電話番号:925251140

LA ABADIA



スペインの世界遺産・古都「トレド」へ訪れる際の注意事項


古都トレドは、中世の街並みをそのまま残っています。
城壁に囲まれ、建物も石造り。まるで本や映画の世界に入り込んだような気持ちになるため、童心にかえって探検したくなります。

しかし、その観光客の気持ちに付け込んだ、スリや置き引きなどの被害も多いので注意が必要です。

グループでスリを行う手口が横行しているので、犯人の1人に気を取られている間に、別の犯人に荷物をいつの間にか抜き取られていた……といったようなトラブルに巻き込まれないようにしましょう。

貴重品は丸出しにせず、街を歩くときもスキを見せずに、スピード感を持って歩くようにしましょうね。

スペインの世界遺産・古都「トレド」へのアクセス方法


古都トレドへは、マドリードからの移動が便利です。
マドリードのアトーチャ駅から、高速列車が1日10本運行しています。
所要時間は40分程度と、時間の節約をしたい方におすすめですよ。

列車が到着するトレド駅は郊外にあるため、駅からの移動はバスが便利です。

マドリードからトレドまでのバスも運行しているので、時間に余裕のある方は、ゆったりとしたバス移動も可能ですよ。

スペインの世界遺産・古都「トレド」と併せて訪れたいスポット


古都トレドへ訪れたらぜひ足を伸ばしてほしいのが、古都トレドへのアクセスに便利な、マドリードのアトーチャ駅です。

こちらは、世界の素晴らしい駅30選にも選定されたことがあるんです。

19世紀~20世紀にヨーロッパで建設された旧駅舎は、外観が保存してあります。
内部はカフェテラスや待合室になっており、新駅舎の一部として機能していますよ。

また、旧駅舎内には「植物園」に見立てた演出もあり、訪れる人々の心に癒しを与えてくれる一角となっています。

おわりに


中世の世界に、タイムスリップしたかのような錯覚を覚えるスペインの古都「トレド」。
今回ご紹介したもののほかにも、たくさんの観光スポットがあり、どれも人気の場所です。
見どころの多いので、自分が行きたいところをあらかじめ絞っておくと、限られた時間の中で充実した観光ができますよ。




情報提供元: 旅色プラス