Airbnbや投資家から約 194 億円(1億8千万ドル)を調達し、民泊業界の新星スタートアップとして一時注目を集めていた「Lyric」(リリック)は、ほぼ全ての物件を閉鎖を事業整理を行ったことが明らかになった。


本件に詳しい人物によると、サンフランシスコに拠点を置く Lyric は今後、宿泊施設向けの価格設定ツールを含むソフトウェアツールの開発に焦点を移す予定。これにより、Lyric の本業で注目を集めたサービスアパートメントビジネスからは完全に撤退することになる。


Lyricの共同創設者で社長のジョー・フライマン氏は7月1日に同社を退社したことを認め、「業界の変化は新しい機会を生み出す。私はそれを追い求めたい」とコメント。不動産テック分野で新ビジネスを立ち上げる予定だと述べた。


Lyric のサービスアパートメント事業の実質的な閉鎖は、この分野で期待の星と見られていた企業の劇的な陥落だ。同社は民泊黎明期の 2014 年に創業、2019 年初めには 13 都市 22 カ所で 400 ユニット以上を運営。


ビジネス旅行業界を覆すという売り込みで大型投資家にアピールする一方、提携を結んだ Airbnb は 2019 年 4 月の資金調達ラウンドをリード。Airbnb からは約172億円(1億6千万ドル)を調達し、事業拡大と拠点数拡大を狙っていた。


しかし、新型コロナウイルスの感染拡大を影響を受けて世界的に宿泊業界が甚大な影響を受けている中、Lyric も相当な影響を受けて事業継続を断念したとみられる。


ただし、Lyric は、パンデミック以前からには問題の兆候があった。米メディア報道によると、同社は 2019 年の売上目標を達成できず、2020 年2月に 20% の従業員を解雇。新型コロナの影響が顕著になった 2020 年3月には 100 人近い従業員をレイオフしていた。


Lyric が NY のマンハッタンに唯一残る物件の運営を継続するかどうかは不明だが、その命運は今や同社が提供する民泊施設向けの価格設定ツールの Wheelhouse(ウィールハウス)と呼ばれるツールにかかっている。他のツールにも取り組んでいるという話はあるが、詳細は明らかではない。


米国では第二波が懸念され、死亡者数が再び増加しているが、フライマン氏はパンデミックの最悪の時期は過ぎたと考えており、ホスピタリティ部門はまだ復活の機が熟していると述べている。「撤退しなければならなかったホスピタリティのスタートアップはある」が、「Lyricはまだ完全撤退してはいない」と話す。果たして、その行方は。


情報提供元: Airstair
記事名:「 民泊業界の新星スタートアップ「Lyric」、ほぼ全物件閉鎖し事業整理 Airbnbが170億円出資