普段はまず体験できないことを楽しめる特別列車が、東海道新幹線で運転されました。

通常はよく見えない新幹線からのレインボーブリッジ

 2015年8月29日(土)、東海道新幹線N700Aの車窓へ海と共に現れたレインボーブリッジに、乗客が歓声を上げました。

 東京湾岸に架かり、芝浦と台場を結ぶレインボーブリッジ。通常、東海道新幹線の車窓から、その橋はあまりよく見えません。しかし東海道新幹線の車窓から、海と一緒に大きくレインボーブリッジを眺められるのも事実です。

 東京駅を出た東海道新幹線の線路は、山手・京浜東北線の田町駅付近で分岐。片方は品川・名古屋・新大阪駅への本線で、もう片方は大井車両基地(東京都品川区)へ続く回送線です。

 この回送線から、海とレインボーブリッジがよく見えるのです。

 回送線のため通常は乗車できませんが、JR東海はこの日、東京~大井車両基地間で特別列車を運行。乗客たちはレインボーブリッジやお台場のフジテレビ、船の形をした船の科学館など、普段は見られない新幹線の車窓を楽しみました。

「黄色い新幹線」の内部も公開

 回送線を走る特別列車は、JR東海「~親子で楽しむ新幹線~ 東海道新幹線のおしごとを学ぼう」ツアーの一環で運転されたもので、終点の大井車両基地への到着後は、そこで行われる車両検査作業などが参加した親子たちに紹介されました。

 また大井車両基地では、「新幹線のお医者さん」とも呼ばれる923形電気軌道総合試験車「ドクターイエロー」が登場。その内部見学も行われています。「出会えると幸せになれる」と言われるほど、レアな「ドクターイエロー」。参加した子どもたちには、夏休み最後の忘れられない思い出になったことでしょう。

 JR東海によると、こうした大井車両基地への回送線を使った企画は昨年、東海道新幹線50周年を契機に実施したところ好評だったため、今年も開催したそうです。

 またJR東海は今年10月と11月、こんどは名古屋駅付近から名古屋車両所へ至る回送線に乗車。同様に「ドクターイエロー」などを見学するツアーを実施するとのこと。名古屋車両所への回送線乗車、名古屋車両所の内部見学が行われるのはこれが初です。また名古屋運輸所では、実際に運転士・車掌が訓練に用いているシミュレーターを体験することも可能。「初物尽くしの『特別メニュー』満載の旅」(JR東海)といいます。

 ちなみに、東京駅から回送線を使って大井車両基地へ向かう際、「この列車は回送1723号、大井車両基地行きです」という、少々不思議な車内放送が行われました。

情報提供元: 乗りものニュース