大人も童心に帰ってワクワクしてしまう。キャンピングカーと寝台列車には、そんなロマンがある。それを1台で楽しめるのが、OMCの「ナロー銀河」だ。




TEXT●山崎友貴(YAMAZAKI Tomotaka)

車内の二段ベッドと対面式シートが寝台列車を思い起こさせる

老若男女を童心に返らせてくれるクルマのカテゴリーは多様だが、中でもキャンピングカーナンバー1と言えるのではないだろうか。屋内で寝るのではない、非日常的な行為はやはり大人でもワクワクするし、キャンピングカーを持つということに憧れを感じている人も多いはずだ。かつて欧米の映画で観たキャンピングカーで各地を旅するシーンが永遠の憧憬となっている...という読者も、かなりのいるのではないだろうか。




同じような非日常の楽しさを提供してくれるのが、かつて日本全国を走っていた寝台列車だ。残念ながら多くの寝台列車が廃止になり、いまや数路線を残すのみとなってしまった。しかし、キャンピングカー同様に列車内で夜を過ごすというワクワク感は、未だに多くの大人の憧れなのではないだろうか。




この二つのワクワク感を合体させたのが、OMCが販売している「ナロー銀河」というバンコンだ。寝台列車で旅する楽しさを、キャンピングカーに融合させているのである。具体的にどこが“寝台列車チック”なのかというと、車内に入ったところにある二段ベッドと対面式シートだ。

OMC・ナロー銀河の室内。

まず二段ベッドだが、上段を収納すれば3人掛けのソファーにすることができる。収納のメカニズムや収納後の空間など、さながら寝台列車だ。上段ベッドのサイズは1800×650mm、下段は1800×700mmを確保。ゆったりと脚を伸ばして寝ることができる。

2段ベッドは、上段を収納すればソファーにもなる。

その向かいにある向かい合わせのシート&テーブル周辺は、食堂車を思い起こさせる空間だ。走行中はセカンドシートを前向きにする必要があるが、景色のいい場所に駐めて食事でもすれば、まさしく食堂車気分を満喫できる。




テーブルを外してセカンドシートをフルフラットにすれば、一人用の就寝スペースにすることも可能だ。しかし、ここはダイネットで使うと割り切って、2段ベッドを常設にしておけば、寝食分離の生活ができる。

2列目・3列目シートは補助ベッドにもなるし、向かい合わせにしてダイネットにもなる。

車内中央にお約束のギャレーを備えているが、ナロー銀河はさらに車両後部にマルチルームを備えているのが、特徴のひとつでもある。ここにカセット式のトイレ(標準装備)を置いておけば、トイレの場所を気にして駐車する煩わしさから開放される。特に飲酒をした夜などは、トイレが身近にあると嬉しい男性諸氏が多いのではないだろうか。トイレとしては使いたくないという人は、食品庫やクローゼットとして活用すればいいだろう。

後部には、扉を閉めれば個室になる空間も。

標準装備品が充実しているのも、ナロー銀河の美点だ。ベッドやギャレーといった基本的な家具はもちろんのこと、21L冷蔵庫(家庭用エアコン非装着車の場合)、電子レンジ、ルーフベント、リアスピーカー、カーテン、室内LED照明、サブバッテリー(105Ah)、走行充電システムなどが最初から装備されているのである。

ナロー銀河のベース車両だが、ハイエース・バン(ロング標準ボディ)・GLパッケージとなる。ちなみに、ワイドボディがお望みという方は、「銀河」という兄弟モデルを選ぶといいだろう。全体的に空間が広くなり、ギャレーやマルチルームがコンパクトもより実用的になる。二段ベッドも上段が寝台列車のように回転収納することができる“本格派”だ。こちらはハイエースとNV350のハイルーフ・ワイドボディ車がベースだ。

これだけ楽しいキャンピングカーが、436万円(税別)から購入できるのは、かなりリーズナブルなのではないだろうか。標準ボディ車べースなので、駐車場所もさほど困らないし、普段の足として十分に使える。鉄道ファンであれば、鉄道装備などを車内にインストールして雰囲気作りをするのも楽しそうだ。考えるだけで、ワクワクしてくれる1台なのである。

情報提供元: MotorFan
記事名:「 【注目キャンピングカー紹介】寝台列車で旅する楽しさを味わえる二段ベッドが大人気な「OMC・ナロー銀河」