水冷4ストロークDOHC 4バルブ直列2気筒249ccエンジンを搭載した軽二輪スーパースポーツモデル「ホンダ CBR250RR」がモデルチェンジ。エンジン、点火系、排気系の変更で最高出力は38馬力から41馬力にアップ。「アシストスリッパークラッチ」を標準装備し、「クイックシフター」もオプション設定するなど、サーキットでタイムを削るための装備が投入された。


REPORT●北 秀昭(KITA Hideaki)

「アシストスリッパークラッチ」を標準装備。「クイックシフター」はオプション設定/発売日:2020年9月18日(金)

マットガンパウダーブラックメタリック

マットガンパウダーブラックメタリック

パールグレアホワイト

グランプリレッド

 ホンダの250ccスポーツモデル「CBR250RR」が、出力向上や「アシストスリッパークラッチ」の採用などで熟成を図るとともに、カラーリングを変更し、2020年9月18日(金)に発売される。


 今回は、CBR250RRの一部仕様を変更。低速域から高速域に渡る力強い出力特性としながら、パワーウエイトレシオの向上に合わせた、さらなる操りやすさを追求。スーパースポーツモデルとしてのトータルコントロール性能の進化が図られた。




 パワーユニットでは、新形状のピストンにより高められた圧縮比に対応するため、ピストンリング溝に錫メッキ処理を追加。また、浸炭処理により強度を高めた、「浸炭コンロッド」を採用。


 フリクションロスを最小限に抑えるため、バランサーシャフト軸の小径化や、バルブスプリング荷重を低減。エンジン内のポンピングロス低減につながる、シリンダー下端への切り欠きを追加するなど、最高回転数を高めながら、圧縮比、点火時期、吸気系部品の最適化やマフラー内部構造の変更などを施すことで、前モデルに対し、最高出力と最大トルクの向上を実現している。




【新モデル】


最高出力 (kW[PS]/rpm):30[41]/13,000


最大トルク (N・m[kgf・m]/rpm):25[2.5]/11,000


圧縮比 :12.1




【前モデル】


最高出力 (kW[PS]/rpm):28[38]/12,500


最大トルク (N・m[kgf・m]/rpm):23[2.3]/11,000


圧縮比 :11.5




 出力アップと出力特性の変更に伴い、スロットルグリップ操作に対して、より緻密なスロットルバルブの制御を行う「スロットルバイワイヤシステム」を採用。また、ライディングモードの各パラメーター設定値を最適化し、ライダーの好みに合った「3種の出力特性の選択」を可能にしている。


 また、新たに、クラッチレバーの操作荷重と、シフトダウンに伴う後輪ホッピングを軽減する「アシストスリッパークラッチ」を標準装備。別売りの純正アクセサリーとして、シフトアップ/シフトダウン時の、より素早いシフトチェンジ操作を可能とする「クイックシフター」を設定。より操りやすく、快適でスムーズな乗り味を獲得している。




 フロントに倒立型サスペンション、リアには左右非対称形状のアルミ製スイングアームと、路面追従性に優れたプロリンクサスペンションを組み合わせて採用したほか、制動時の安心感をより高めるABSを標準装備。


 新しいカラーリングは、グランプリレッド(ストライプ)、マットガンパウダーブラックメタリック、パールグレアホワイト、グランプリレッドの4色をラインアップ。先鋭的なスタイリングをより際立たせる配色と、新たなデザインのストライプを採用するとともに、全カラーともにゴールドのホイールに変更されている。

デザイン

 低く構えたロングノーズから高く跳ね上げたテールに渡る、先鋭的なウェッジシェイプを実現。ライディングポジションは、ライダーとマシンが一体となれるスーパースポーツらしい設定とし、マシンコントロールのしやすさを追求。タンク後端からシート先端部を絞り込むことで、ニーグリップのしやすさと良好な足着き性にも配慮。




 ボディサーフェスは、硬質で塊感のある面構成で「力強さ」を、キレのあるエッジにより「速さ」を表現。ロアカウルは走行風を効果的に導き、エンジン回りの冷却にも寄与している。

エンジン

 水冷4ストロークDOHC直列2気筒エンジンは、内部部品を刷新し、さらなるハイパフォーマンスを追求。ピストン形状の変更による圧縮比の向上、バランサーシャフトの小径化、バルブスプリング荷重の最適化、シリンダー下端の切り欠き追加による徹底した低フリクション化、高強度な浸炭コンロッドの採用により、さらなる高回転・高出力化を可能とし、最高出力30kW[41PS]/最大トルク25N・m[2.5kgf・m]を達成した。

ピストン(イメージCG)

アルミシリンダースリーブ(イメージCG)

 クラッチレバーの操作荷重軽減に貢献するアシスト機能と、シフトダウンに伴う急激なエンジンブレーキによる後輪ホッピングを軽減するスリッパー機能を備えたクラッチ機構である、「アシストスリッパークラッチ」を新採用。これにより扱いやすさをさらに高め、より快適でスムーズな操作を実現している。

 エアクリーナーから燃焼室への吸気抵抗低減のために、ダウンドラフト式吸気レイアウトを採用。11.5の高圧縮比、大径バルブ、大径スロットルボアとともに吸気の高効率化を追求し、高出力化に対応している。

 右側2本出しの斬新なデザインのマフラー。ここから放たれるエキゾーストサウンドにも、大いにこだわっている。3室に分けたサイレンサーの、2室、3室、それぞれから排気管を設けたデュアルテールパイプ仕様を採用。これにより、それぞれ異なる特性を持った排気音のバランスを取り、低回転域の力強さとともに、中~高回転域ではレーシングマシンを彷彿させる、ドラマチックなサウンドを奏でてくれる。

 6速トランスミッションは、パワーをフルに活かすべくレシオ配分を最適化。これにより、心昂ぶる加速フィールを実現。また、シフト操作を電気信号に変換し、燃料噴射タイミングや点火時期などをコントロールして、より迅速なシフトチェンジを実現するシフトアップ/ダウン対応の「クイックシフター」をオプションで設定。




【ココがポイント!】


・クラッチレバーの操作無しにシフトアップ/ダウン可能(発進・停止を除く)


・オートブリップ機能により、スムーズで素早いシフトチェンジが可能


・長距離運転でのライダーのストレス低減にも貢献。

 スロットルグリップの開度を、機械式ワイヤー構造ではなく、電気信号を介して伝達する「スロットルバイワイヤシステム」を、250ccクラス初採用(※)。スロットルグリップ操作に対して、より緻密なスロットルバルブ制御を図ることにより、上質で安定感ある加速フィールを獲得している。




※Honda調べ(2017年4月時点)

「スロットルバイワイヤシステム」の動作イメージ

 電子制御の「スロットルバイワイヤシステム」を活かし、好みに合わせて選べる3つのライディングモードを設定。エンジンパフォーマンスの向上にともない各設定値の最適化を行っている。




〈Sport〉  オールラウンドにスポーツ走行が楽しめる標準モード


〈Sport +〉 レスポンス重視の力強い加速感を強調した走行モード


〈Comfort〉 タンデム時などに適した、乗り心地重視の走行モード




 各モードへの切替えは、左ハンドルの「モードスイッチ」で操作。モードの切替えは走行中でもスロットルグリップを全閉にすることで可能。選択されたモードはメーターの液晶パネル右側に表示される。

フレーム / 足周り編

イメージCG

「速さを伝えるマシン骨格」を目指して、シャシーはゼロから構成を検討。フレームは鋼管トラス構造とし、強さとしなやかさを両立。テストライディングの繰り返しにより、各ガセット類など細部に至るまで調整し、ライディングフィールも高度にチューニングされている。




 スイングアームは、左右非対称のガルアーム形状。「ヘの字形状」の右側アームはエキゾーストパイプの外側への張り出しを抑え、車体のスリム化とバンク角確保に寄与。また、スイングアームをアルミ製にすることで、リアのバネ下重量の軽減とともに、マス集中化による運動性能の向上も図っている。

 フロントサスペンションは倒立式を採用。スライドパイプ径をφ37mmとし、高い剛性と路面追従性に貢献。サーキット走行を想定し、フロントフォーク突き出し量を増やすことで、車体セッティングの自由度を高めている。




 リアサスペンションは5段階のプリロード調整機構を装備し、プログレッシブな反力特性が得られるプロリンクを採用。ライダーの好みやタンデムライディング時に合わせ、アジャストも可能としている。

 ウェーブ形状のディスクブレーキは、フロントにφ310mmのフローティングシングルディスク、リアにφ240mmのシングルディスクを採用。制動時の安心感を高めるABSも標準装備済みだ。




 ホイールは直線的な7本スポークデザイン。スポーツライディングに配慮し、剛性バランスの確保とバネ下重量の低減を追求。

ヘッドライトライト/テールランプ/メーターetc.

ロービーム
ハイビーム

 CBRシリーズのアイデンティティであるLEDデュアルヘッドライトは、上側にライトガイド構造によるライン発光ランプを、下側は左右それぞれにハイ/ロー切り替え機能を備えた斬新なデザイン。LEDならではのコンパクトさを活かした、シャープな造形がアグレッシブな印象を与えている。

ストップランプ点灯時

 ヘッドライト同様のライトガイド構造をもつLEDテールランプは、リフレクター発光によるストップランプとの上下2段独立配置。鋭く跳ね上がったリアカウルに、コンパクトな灯体がインテグレートされる独自のデザインとしている。LEDウインカーは細身のバータイプを採用。

 高性能を物語るフルデジタルメーター 。液晶エリアをとり囲む、ベゼルの幅を極力薄くデザインし、液晶部を大型化して視認性を向上させながら、ギアポジション、2種のトリップメーター、時計、燃費計、水温計、ライディングモードなど豊富な情報をライダーに伝達。さらに、任意に設定したシフトタイミングを、LEDの点灯と点滅で知らせる「5連REVインジケーター」と、「ラップタイマー」の機能も搭載。

 キー操作感のスムーズさに加え、耐久性・質感とともに盗難抑止効果も追求。

車名・型式:ホンダ・2BK-MC51


全長×全幅×全高 (mm):2,065×725×1,095


軸距 (mm):1,390


最低地上高 (mm)★:145


シート高 (mm)★:790


車両重量 (kg):168


乗車定員 (人):2


燃料消費率※2(km/L):


国土交通省届出値 定地燃費値※3(km/h) 40.1(60)<2名乗車時>


WMTCモード値★(クラス)※4 27.1(クラス3-2)<1名乗車時>


最小回転半径 (m):2.9


エンジン型式・種類:MC51E・水冷 4ストローク DOHC 4バルブ 直列2気筒


総排気量 (cm3):249


内径×行程 (mm):62.0×41.3


圧縮比 ★:12.1


最高出力 (kW[PS]/rpm):30[41]/13,000


最大トルク (N・m[kgf・m]/rpm):25[2.5]/11,000


燃料供給装置形式:電子式<電子制御燃料噴射装置(PGM-FI)>


始動方式 ★:セルフ式


点火装置形式 ★:フルトランジスタ式バッテリー点火


潤滑方式 ★:圧送飛沫併用式


燃料タンク容量 (L):14


クラッチ形式 ★:湿式多板コイルスプリング式


変速機形式:常時噛合式6段リターン


変速比:


 1速 3.181


 2速 2.187


 3速 1.727


 4速 1.421


 5速 1.222


 6速 1.068


減速比(1次★/2次):2.781/2.928


キャスター角(度)★/トレール量(mm)★:24°30´/92


タイヤ:


 前 110/70R17M/C 54H


 後 140/70R17M/C 66H


ブレーキ形式:


 前 油圧式ディスク


 後 油圧式ディスク


懸架方式:


 前 テレスコピック式(倒立サス)


 後 スイングアーム式(プロリンク)


フレーム形式:ダイヤモンド




■道路運送車両法による型式認定申請書数値(★の項目はHonda公表諸元)  ■製造事業者/本田技研工業株式会社


※2燃料消費率は定められた試験条件のもとでの値です。お客様の使用環境(気象、渋滞など)や運転方法、車両状態(装備、仕様)や整備状態などの諸条件により異なります


※3定地燃費値は、車速一定で走行した実測にもとづいた燃料消費率です


※4WMTCモード値は、発進、加速、停止などを含んだ国際基準となっている走行モードで測定された排出ガス試験結果にもとづいた計算値です。走行モードのクラスは排気量と最高速度によって分類されます
情報提供元: MotorFan
記事名:「 モデルチェンジで3馬力アップ! 新型ホンダCBR250RRを徹底解説|38馬力→41馬力、スリッパークラッチを新採用