■S5-DPTS


シリンダー配列 直列4気筒ディーゼル


排気量 1498cc


内径×行程 76.0mm×82.6mm


圧縮比 14.8


最高出力 77kW/4000rpm


最大トルク 270Nm/1600-2500rpm


給気方式 ターボチャージャー


カム配置 DOHC


ブロック材 アルミ合金


吸気弁/排気弁数 2/2


バルブ駆動方式 ロッカーアーム


燃料噴射方式 DI


VVT/VVL ×/◯

 容積比14、ツインターボを用いた高過給EGRによるNOx触媒レスという仕様で世界の度肝を抜いたSKYACTIV-D2.2に続いて登場する、マツダの新世代ディーゼルエンジン。D2.2に対して縮小したボア径によってS/V比が悪化し、冷却損失が大きくなってしまうのを防ぐため、容積比を14.8とし筒内温度の確保に努めている。




 冷損の回復には多くの気が使われていて、たとえばシリンダーブロックのウォータージャケット内にはスペーサーを備え、冷却水の流れを制御することで、冷やさないところには水流を抑える手段をとった。ピストン冠面には段差を設けることで、仮にキャビティから火炎が逃げてもスキッシュエリアから火炎が壁面へ逃げない構造としている。インジェクターは200MPaのソレノイド式。小さいボアにおける燃料の壁面付着を防ぐために噴孔を機械加工、拡散の具合を工夫している。冷間時の筒内温度上昇策(内部EGR)にはD2.2のスイッチャブルローラーロッカーに対して、VGターボを採用した。D2.2とは手法が異なるものの、コストと効果を見据えてバランスをとったエンジンである。

D2.2が冷間時のホットEGRの導入をローラーロッカーアームの二度開け制御に依っているのに対し、D1.5はVGベーンの絞りによる還流とした。

排ガス量の多寡によらず高効率を得られるVG(バリアブル・ジオメトリー)ターボを採用。冷間時にはベーンを全閉として排気流をあえて阻害することで筒内へ排ガスを還流させ、内部EGR効果を得る。一般的なターボとはタービン回転方向を逆とすることで流路をストレート化する工夫もこらしている。

情報提供元: MotorFan
記事名:「 世界の度肝を抜いた2.2ℓの単なる縮小に非ず。小排気量版として最適化を施したSKYACTIV-D 1.5。