まずは基本をおさらい&深掘り!

ホイール解体新書 【後編】



どんなカスタムにおいても、まず第一歩といえるのがアルミホイールの交換。サイズを変えたり、好みのデザインを選んだり、十人十色の楽しみ方ができる人気カスタムパーツだ。ただ、ひと言でアルミホイールといっても、いろいろな要素から成り立っている。ここでは、アルミホイールについて今一度知っておいてソンはしない基本的なことから、ちょっとマニアックな知識までを解説。それぞれの部位や数値が、どんな意味を持っているのかを知れば、アルミホイールに対する思い入れも強くなる。


ホイール各部の名称と役割を知る




インチ

ホイールの直径を示す数値で、大きさを表す。1インチは2.54㎝で、20インチなら直径は50.8㎝。

インセット

リム幅の中心線とホイール取り付け面の距離を表す。プラス記号は外側、マイナス記号は内側。中心よりも外側はアウトセット、中心と同じ場合はゼロセットと表現されることもある。数字の単位は㎜。以前、呼ばれていたオフセットと意味は同じだ。

リム幅

ホイールの幅のこと。数字が大きいほど、ワイドになる。単位はインチで、7.5なら19.05㎝となる。

リム形状

リム形状を表すアルファベット。BやJ、JJなどの種類があり大きさが変わる。一番多いのはJ。

ホール数

ホイールを車体に取り付けるための穴の数。自分のクルマに取り付けられるかの判断基準のひとつ。

P.C.D

ナットホールの中心を通る円の直径。ホール数と合わせて、取り付け可否の判断をする第一要素。







































H/P.C.D代表的な国産車種
4/100N-BOX&カスタム、ヤリス、フィットなどKカー&コンパクトカー
5/100カローラスポーツ、プリウスなどコンパクト&ワゴン
5/114.3アルファード&ヴェルファイア、RAV4などミニバン&ワゴン&SUV
5/139.7ジムニー&ジムニーシエラ
5/150ランドクルーザー、レクサスLX
6/130グランエース
6/139.7ランドクルーザープラド、ハイエースなどSUV&1BOX

いまホイールの製造方法の中心はこの4つ


鋳造製法

最もポピュラーなアルミホイールの製法。鋳型に溶かしたアルミを流し込んで成型し、仕上げ工程を経て完成。デザイン自由度の高さが魅力。

フローフォーミング製法

最近増えている製法がこれ。基本は鋳造と同じだが、仕上げ工程でリムを圧して伸ばすことで剛性と軽さを得られるのが特徴となっているのだ。

デザイン金型鍛造製法

アルミビレットをデザイン金型に合わせて数千トンのプレス機で成型。圧倒的な軽さと強さを誇る。世界でも製造できるメーカーが限られている。

切削鍛造製法

世界のハイエンドメーカーが多く採用する鍛造製法。ビレットを削ってデザインを作り出すため、形状も自由自在。ほぼワンオフのホイールも可能。


JWLやJAWAって何のこと?






ホイールをよく見ると、リムにJWLなどの文字があるのがわかる。これらは、アルミホイールの品質を証明してくれるもの。回転の振れや衝撃による変形・破損など、めちゃくちゃ厳しい試験をクリアして初めて刻むことが許されるもの。独自でさらに厳しい試験を行い、品質を高めて開発しているメーカーもある。






















JWL国土交通省が定める技術基準に適合したホイールに刻まれるマーク
JWL-TJWLと基本は同じだが、トラック・バス用により厳しい基準への適合を証明
JAWAホイールの安全性や信頼性を担保する機関。認定ステッカーはPL 保険付き
VIA第三者機関によって技術基準の適合が確認されたホイールに刻印されている

サイズ以外に気になる言葉の意味


ディスク突出量

リムからディスクが飛び出ている量。リム幅が狭いモデルに多く、ハミ出しや干渉に注意が必要だ。

ハブ径

ホイールの中心にある穴の直径。自分のクルマのものより小さいと取り付けることができないのだ。

ナットホール径

ナットホールの直径のこと。これが小さいホイールだと、使える工具も限られてくるので要チェック。

リムの深さ

リムのフチからディスクまでの深さ。ノーマルリムでは、段付きによって立体感が生まれ、リバースリムはストレートに深さを表現できることも覚えておこう。

ノーマルリム

リバースリム

ビッグキャリパー対応

ブレーキキャリパーキットと同時にそのホイールを装着できるかの目安。リムの深さと反比例するが、ブレーキを導入する予定ならハイディスクを選ぶべき。


インチとミリが混在している理由は?

ホイール&タイヤサイズには、なぜかインチ(大きさ&リム幅)とミリ(インセット&P.C.D、タイヤ幅など)が混在。その理由は、諸説あるが、メトリック方式に変わるとき当時のタイヤの取り付け部の規格がインチだったため、その部分は残ったとされている。確かに、20×7.5が50.8×19.05だとわかりにくいので納得!?


スタイルワゴン2020年5月号より



[スタイルワゴン・ドレスアップナビ]



情報提供元: ドレナビ
記事名:「 今さら聞けない!? じゃあこっそり覚えましょ! ほんとに分かりにくいインセットって!?【後編】