桜の季節がやってきましたね。
今年は広島が3月11日(木)に最早で開花しました。一般的に、桜は暖かくなるのが早い地域から順に開花していきます。そうすると、1番先に咲くのは鹿児島?と思うかもしれません。しかし、ここ10年の開花最早地点をみてみると、どうも最早は鹿児島ではないようです。その原因の一つとして、桜の開花には「休眠打破」という過程があります。今回はこの「休眠打破」について説明します。


桜が咲く過程のひとつ「休眠打破」とは

桜が咲くのは例年3~4月ごろです。(沖縄地方などの島しょ部を除く)
基本的に春の訪れが早いと、桜の開花も早くなります。島しょ部を除けば、2月・3月ともに平均気温が最も高いのは鹿児島ですので、最初に開花するのは鹿児島?と思うかもしれません。
しかし昨年2020年の春、最も早く咲いたのは鹿児島ではなく東京で、鹿児島の桜が開花したのは東京の開花から2週間以上経ってからでした。
これには「休眠打破」が関係しています。
桜の蕾(花芽)は、冬に入る前にいったん休眠し、成長を止めます。そして冬の厳しい寒さによって再び目を覚まし(休眠打破)、そこからは春の暖かさによって成長していきます。
つまり、冬にある程度寒くなることが早い開花には必要で、昨春の鹿児島は冬の寒さが不十分で「休眠打破」がうまく行われなかったことが、開花が遅くなった原因の1つと考えられます。
実際に気温を比べてみると昨年(2020年)1月、東京の平均最低気温は3.7℃でしたが、鹿児島では7.5℃でした。7.5℃というのは、東京では4月上旬くらいの最低気温です。これでは「休眠打破」がうまくいかないのも頷けますね。


ここ10年の桜最早開花回数ランキング

それでは、ここ10年で最早開花を飾った地点を見ていきましょう。
福岡・長崎・熊本など、九州の地点が多くランクインしています。ちなみに、今年2021年の桜開花第1号となったた広島は、全国で開花トップになるのは観測史上初めてです。
見事1位に輝いたのは「高知」で、ここ10年で3回、最早開花しています。
高知というと南国のイメージが強いですが、12月~2月にかけての冬日日数(最低気温が0℃未満の日)は平均して20日ほどあり、鹿児島(約3日)と比べるとずいぶん寒く、東京(約20日)と比べてもほぼ変わりません。
よって「休眠打破」には十分な寒さを持っていると言えるでしょう。


最新の桜開花情報(tenki.jp)

日本気象協会の発表によると、各地の桜の開花は、全国的にかなり早くなる予想です。tenki.jpでは開花予想だけでなく満開予想も発表しています。
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情報提供元: tenki.jpサプリ
記事名:「 いよいよ桜シーズン到来! 桜の開花に必要な「休眠打破」とは?