阪神対広島 3回裏阪神無死二塁、中野は右前に同点適時打を放つ(撮影・上田博志)

<阪神1-3広島>◇8日◇甲子園

ミスター・メイだ。阪神中野拓夢内野手(27)が唯一の得点をたたき出した。5月は全6試合でヒットを放ち、25打数8安打の打率3割2分。連続試合安打を8に伸ばし、眠れる猛虎打線の2番打者として懸命な働きを続けている。

0-1の3回。先頭近本が安打&二盗。中野は大瀬良の内角球を狙いすまして右前に強くライナーを飛ばした。「チカナカ」コンビの電光石火の攻撃で試合を振り出しに戻した。

「際どいところをファウルにしながら、最後に来た甘い球をしっかり仕留められた。そういう打席をもっともっと増やせば率は上がると思う。簡単にアウトにならないように、やっていきたい」。手応えのある打席内容だった。

汚名返上の1日だった。前日7日の試合で失点につながる2失策。ともにやや不規則なバウンドだったとはいえ、昨季ゴールデングラブ賞の男には屈辱。「言い訳はしない」と切り替え、試合前のノックで丁寧にグラウンド状態を確認。「昨日のことは引きずらず、切り替えて集中することだけを考えていた。自分がやるべきことをしっかりとやった結果です」。

5月の計8安打のうち、得意の左前への安打はない。オフから強い打球を打つスイングに取り組んだ。打撃の幅は広がっているのは間違いない。ただ今回は「あの場面は何とか近本さんを次の塁に進めようという意識があった。その中で強く引っ張ってヒットを打てた」と役割に徹した中での引っ張りと強調した。

昨年も5月は月別最高の打率3割1分3厘。チームの快進撃の中心にいた。選手会長を務める背番号51は低空飛行の打線について、ナインを鼓舞するように言った。「なかなかつながらない時に自分がかえそうと思い過ぎると重圧がかかってしまう。もう1回全員が、後ろの打者につなぐ意識を持って、打線を線としてつなげられるようにやっていきたい」。原点に返り、10日からのDeNA3連戦(横浜)で立て直す。【柏原誠】

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【阪神】「ミスター・メイ」中野拓夢8戦連続安打「後ろにつなぐ意識」眠れる猛虎打線の中で奮闘