クロムメッキの輝く車体、うなりを上げるエンジン。レザーを着た愛好家らが数十台の大型バイクで、風吹きすさぶベンガジのアスファルトを切り裂く。
「ベンガジ・モーターサイクルクラブ」の本部から次々と現れたのは、ハーレーダビッドソン、ホンダ、カワサキ製のバイクだ。
メンバーにとって、バイクは単なる情熱の対象ではなく、この街を別の角度から描くための手段でもある。分断と暴力とは違うリビアの普段の姿を伝えたいと思っているのだ。
「戦う者もいれば、情熱を持っている者もいる」と、長髪に濃い顎ひげを生やした会長のアハメド・フィトゥリ氏は語る。
「フランスと英国のクルーに撮影をしてもらっている。私たちは、リビア人全員が戦っていたり、犯罪者だったりするわけではないということを伝えてきた」
ハンドルに手をかけ、2台ずつ横に並んでベンガジの路地や大通りを走る。戦闘で破壊されたビルの前を通り過ぎる一団を眺める人。撮影する人。車のドライバーが鳴らすクラクションが響き渡る。
2014年に創設されたモーターサイクルクラブには、120人の会員がいる。長きにわたって独裁体制を敷いた故ムアマル・カダフィ大佐が失墜してから3年後、ベンガジの支配をめぐる2回目の戦闘の最中に、アマチュアのグループによって結成された。
当時はイスラム過激派の民兵がはびこり治安が悪かったが、そうした時期もメンバーは街を行進していた。【翻訳編集AFPBBNews】
〔AFP=時事〕(2021/05/24-12:36)
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記事名:「 分断と暴力以外のリビアの姿を ベンガジ・モーターサイクルクラブ 」