縦7メートル、横9メートルの広告を市内に複数掲出したのは、屋外広告看板事業を営むオベルダン・ズッカローリさん。85歳の母親を先月8日に心臓発作で亡くした。広告を出した目的は、愛する母への追悼の気持ちを示すとともに、埋葬地不足の問題を啓発するためだとしている。
ズッカローリさんは、ローマのプリマポルタ墓地では「もはや埋葬を行っておらず、数百人分のひつぎが順番待ちをしている」と伊紙コリエレ・デラ・セラに語った。「なぜかは分からないが、数か月間も置かれたままだ」
今年1月9日にやはり新型コロナ以外の原因で亡くなった叔母も、同様に埋葬を待っている状況だという。今回の屋外広告に加え、ズッカローリさんはさらにポスター250枚を掲出する予定だ。
地元紙メッサジェロは14日、プリマポルタ墓地では今週に入って火葬の受け入れを停止したと報じた。ローマ市から墓地の管理を委託されているAMAは12日、埋葬場所の確保に努めていると発表し、状況は制御できていると主張していた。
AMAによると、昨年10月?今年3月に受け入れた遺体の数は前年同期比30%増だった。
イタリアでは、コロナ禍を受けて全土で死者数が激増している。政府統計によると、これまでに11万5500人以上が新型ウイルス感染により死亡した。【翻訳編集AFPBBNews】
〔AFP=時事〕(2021/04/16-12:26)
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