2030年に温室効果ガス排出量65%削減をめざす

 オムロン ヘルスケア株式会社(本社:京都府向日市、代表取締役社長:岡田 歩、以下当社)は、国内の生産およびカスタマーサポートの拠点である松阪事業所(所在地:三重県松阪市)で、2022年度より温室効果ガス排出削減に向けた取り組みを開始しました。そして、2023年3月より事業所内の事務スペースと生産ラインにエネルギー消費量の可視化システムおよび空調・照明制御システムを導入し、各スペースの稼働状況に合わせたエネルギー制御を行います。これは、温室効果ガス排出量を算定・報告するための国際的な基準である「温室効果ガス(GHG)プロトコル*」で定義されるScope1、2の温室効果ガス排出削減に向けた取り組みです。

 オムロングループでは、長期ビジョン「Shaping the Future 2030(SF2030)」におけるサステナビリティ重要課題として「事業を通じた社会的課題の解決」と「脱炭素・環境負荷低減の実現」を設定し、カーボンニュートラルの実現に取り組んでいます。2030年度までにオフィス・工場から排出されるGHG(Scope1、2)を2016年度比で65%削減することを目標に設定しています。

当社は、血圧計および体温計の国内生産拠点である松阪事業所においてオムロンの制御機器事業および電子部品事業、社会システム事業と連携し、エネルギー生産性向上に取り組みます。制御機器事業がもつ「エネルギー生産性を可視化するシステム」や電子部品事業がもつ「人画像センシング技術」、社会システム事業の「エネルギーソリューション」などを活用します。今回、エネルギー消費量を可視化し、データに基づいて電力利用の最適化を行うことで、エネルギー消費量を減らしながら生産量を増やす生産ラインを実現しました。

 
取り組みの詳細は下記のとおりです。

1. エネルギーの可視化システム導入(2023年3月より)
オムロンの制御機器事業の現場データ活用サービス「i-BELT」を導入し、事務スペース・生産ラインのエネルギー消費量や生産量、エネルギーがどれくらい効率的に使われているかを示すエネルギー生産性などを可視化。そのデータを解析し、電力利用を最適化することでエネルギー消費を減らします。

可視化画面 事例
〈事業所全体 のエネルギー生産性、生産量、エネルギー消費量 〉
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202304114736-O1-KeozgNCl

〈 事業所全体及び製品1台あたりの CO2排出量〉
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202304114736-O2-zh40Kr6i

2.製造現場・オフィスの自動照明・空調制御(2023年3月より)
事務スペース・生産ラインには、天井に画像型人感センサと室温度・CO2などの各種センサを設置しました。これらを活用し、照明と空調を制御することで、エネルギー消費を削減します。

3.血圧計生産ラインに自動機を導入
各工程に人を配置していた血圧計生産ラインに、最新の自動機を導入し、生産性を向上しました。基板チェックを視認から画像検査に切り替えるなど、生産ラインでの作業者数を減らすことで、一人当たりの生産高も向上。またこのことにより、生産ラインがコンパクトになり、単位面積あたりの生産性も向上しました。生産ラインを短くすることで空間が生まれ、照明や空調で消費していたエネルギー利用の削減にもつながりました。

4. SMT(基板実装ライン)の改善
はんだ付けの実装を行うSMTラインのリフロー炉は、高温状態を保つために非稼働時もエネルギーを消費しています。今回、ラインの稼働状況とエネルギー消費量を時系列で可視化し、分析。非稼働時の無駄な熱源を、別の用途に有効利用することで、同じエネルギー消費量で生産性が向上しました。さらに、オムロン独自の電力制御によってラインの立ち上げ時間を短縮し、エネルギー消費の削減をはかります。

5.物流改革によるエネルギーの削減
事業所内の資材移動動線を見直し移動距離を短縮しました。また、在庫保管用のスペースを縮小し効率化をはかるなど、エネルギー消費削減に取り組んでいます。
また、Scope3の取り組みでは部品調達先を海外から国内へ切り替え、輸送距離を短縮しました。その結果、輸送用梱包材の削減にもつながっています。

 
当社では、今回の取り組みによりエネルギー生産性を向上し、GHG排出量の削減と事業成長を両立させる環境配慮型ものづくり工場の実現をめざします。また、今後は松阪事業所の取り組みを、国内の事業所および海外の生産拠点にも展開し、グローバルにサステナブルなものづくりと事業活動を推進し、持続可能な社会の実現に貢献していきます。

* 温室効果ガス(GHG)プロトコルのScope定義
Scope1(直接排出量)    :自社設備等からの温室効果ガス排出量
Scope2(間接排出量)    :自社設備や事業活動においてのエネルギー使用による温室効果ガス排出量
Scope3(その他の排出量) :サプライヤーや自社製品・サービスのユーザーなどによる間接的な温室効果ガス排出量

 
■松阪事業所の概要
オムロン ヘルスケアのグローバル生産戦略拠点。生産ラインの自動化など、最先端のものづくりの技術を導入し、中国やベトナム、ブラジル、イタリアのグローバル生産拠点へ発信しています。事業所の緑化など緑地環境の整備や地域の木材の活用による森林資源循環利用などにも積極的に取り組んでおり、2021年11月には経済産業省が主催する「緑化優良工場等表彰制度(通称:全国みどりの工場大賞)」において、「日本緑化センター会長賞」を受賞しました。2022年7月には三重県「木づかい宣言」事業者として登録し、三重県産木材の活用で「森林資源循環利用」へ貢献しています。

所在地  :三重県松阪市久保町 1855-370
主な生産品:家庭用血圧計、医家向け血圧計、電子体温計、ネブライザ など

■オムロンの制御機器事業が展開する現場データ活用サービス「i-BELT」について
「i-BELT」は1.データの収集・蓄積、2.データの見える化・分析、3.機器の制御を行う3つのサービスで製造現場のDX実現をサポートするオムロン独自の現場データ活用サービスです。膨大な制御機器データを簡単に収集・蓄積し、見える化・分析した結果を機器の制御にフィードバックすることで、お客様の現場を共に進化させ続けます。
URL:https://www.fa.omron.co.jp/solution/i-belt/

■オムロン ヘルスケアのサステナビリティ
当社の持続可能な社会の実現に向けた取り組みを、コーポレートサイトで紹介しています。松阪事業所のカーボンニュートラル実現に向けた取り組みも、動画でわかりやすく説明しています。
URL: https://www.healthcare.omron.co.jp/corp/sustainability.html

 

情報提供元: PRワイヤー
記事名:「 オムロン ヘルスケア松阪事業所でエネルギー消費効率を向上