愛酒家の多くが飲食店で自由に飲める年になって欲しいと熱望

 昨年は巣籠りが続きましたが、大規模なイベントや飲食店での酒の提供が再開されるなど、少しずつ日常が戻りつつあります。今年はコロナ禍を克服し、明るい年にしたいものです。今回の酒好きほぼ100人に聞く酒飲みのミカタでは、昨年の酒シーンを振り返ったうえで、新年をどんな年にしたいかをお聞きしました。

印象に残った酒ニュース1位は飲食店での酒類提供制限
 最初に昨年の酒関係のニュースを例示して、もっとも印象的だったものをひとつだけ選んでもらった結果を見てみましょう。

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 もっとも多かったのは「飲食店での酒類提供制限が続く(21%)」です。新型コロナウイルスの感染拡大を防止するために、飲食店での酒類の提供を全面的に禁止したり、提供する時間を限定したり、厳しい制限が長く続きました。ご回答いただいた方からは「今年は一度も外で飲まなかった(50代・男性)」「こんなに外に飲みに出なかったことは人生で初めて(40代・男性)」「ほぼ一年ぶりに居酒屋で飲んだ乾杯のビールの美味しさたるや…(30代・男性)」などの声が寄せられました。

 ただ、外で飲みたいという声がある一方で、規制が緩和されても飲食店の客足は予  想よりも緩やかでした。 10 月末に実施した「酒飲みのミカタ-外飲み解禁、飲みに出ましたか?」では、緊急事態宣言が解除され飲食店で酒類を提供できるようになった 10 月に外で飲んだ方は半数にとどまり、新型コロナウイルス拡大は未だ終息していないという慎重な姿勢が目立ちました。

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緊急事態宣言が解除された直後、10月1日(金)19時頃のJR神田駅前の飲食店街。酒類の提供が再開されても人影はまばらだった

 それでもこの年末年始には、正月用品の買い物客で賑わいが戻りつつあるアメ横や好調な初売りセール、あるいは帰省客や観光客が大幅に増えたことが報じられました。人々が感染対策を工夫しつつ、新しい暮らしを手探りし始めていることが窺われます。

話題を呼んだ「微アルコール飲料」の登場
 2 番目に多かったのは「微アルコール飲料の登場( 15 %)」です。アサヒビールが春に発売した『アサヒビアリー』はアルコール度数 0.5 %で酒税法上は酒類ではありません。酒類を飲まない人や飲めない人にも楽しめる新しいドリンクとして提案され、さまざまな人の支持を集めました。見た目と味わいはビールによく似ており、パーティ―や会食でも好まれたようです。

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『アサヒビアリー』は販売地域を全国に拡大しアイテムを追加。微アルの『ハイボリー』も市場投入された

糖質ゼロビールがヒット、清酒の消費低迷で酒米が余る
 3番目に多かったのは「路上飲みの拡大(10%)」です。飲食店での酒類の提供が制限されたため、コンビニエンスステアの店前や駅周辺の路上で飲酒する若者の姿が目立つようになりました。
 また、酒類消費は家飲みへのシフトが顕著に現れました。家庭で気軽に楽しめる缶チューハイ・缶ハイボールが人気を博し、好調を続けています。印象に残った酒ニュースとして「糖質ゼロのビールがヒット(7%)」が4番目にあがりましたが、これも家飲みへのシフトと関係していそうです。コロナ禍で健康意識が高まっていたところに家飲みが拡大しました。飲食店では糖質ゼロのビールの扱いが限られますが、家庭では糖質ゼロのビールを自由に選べます。そこにおいしい糖質ゼロのビールが登場してユーザーに指示されたのではないでしょうか。
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 同じく4番目にあがった「清酒消費が低迷し酒米が余剰に(7%)」も飲食店での酒類の提供制限が影響しています。飲食店では純米大吟醸などの清酒の上級品が多く飲まれていましたが、酒類を提供できなくなりこれらの消費が低迷しました。上級品には良質な酒米が多く使用されており、在庫が減らなければ製造計画を見直さなければなりません。上級品の製造量が減れば、酒米は余剰になり農家や酒米栽培農家の経営を圧迫しかねません。

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昨秋、広島県酒造組合はポスターを作成し、酒蔵と農家の窮状を訴えた(左)。消費低迷で酒米の栽培契約を見直す酒蔵が続出した(右/圃場イメージ)

高まるウイスキーへの関心
 6 番目には「ジャパニーズウイスキーの定義が決まる( 6 %)」と「ウイスキー製造に新規参入が続々( 6 %)」があがりました。世界的にジャパニーズウイスキーの人気が高まるなかで、その定義の開発が求められていましたが、日本洋酒酒造組合は昨年 2 月に「ウイスキーにおけるジャパニーズウイスキーの表示に関する基準」を発表しました。原材料や製造・貯蔵に関する主な規定は次のとおりです。

①原材料は、麦芽、穀類、日本国内で採水された水に限ること。なお、麦芽は必ず使用しなければならない。
②製造 糖化、発酵、蒸留は、日本国内の蒸留所で行うこと。なお、蒸留の際の留出時のアルコール分は 95 度未満とする。
③貯蔵 内容量 700 リットル以下の木製樽に詰め、当該詰めた日の翌日から起算して 3 年以上日本国内において貯蔵すること。
④瓶詰 日本国内において容器詰めし、充填時のアルコール分は 40 度以上であること。

 また、清酒や焼酎のメーカーをはじめ様々なバックボーンを持つ企業がウイスキーの製造免許を取得し、新規参入を果たしました。

今年は「店で自由に飲めるようになって欲しい」がトップ
 では、今年、酒好きの皆さんが酒関係でどんなことを望んでいるのかを見てみましょう。「2022年に酒関係で『こうなればいい』と思うことをお聞かせください(自由記述)」の回答は、23人が「店で自由に飲めるようになって欲しい」とし、群を抜いて多くなりました。具体的には「仲間と気兼ねなく店で飲めるようになるとうれしい(40代・女性)」や「これまでたいへんだったので飲食店に盛りあがってほしい(20代・男性)」「半分仕事みたいな宴会はご免だが、楽しく飲める宴会ができるようになるといい(60代・男性)」など声が寄せられました。
 昨秋からサントリーが始めた「人生には、飲食店がいる。」キャンペーンは、「人と人とのつながり」を担う飲食店という場所へ思いを寄せ、応援の気持ちをつなぐメッセージを発信したものです。一日も早く飲食店で気兼ねなく会えるようになって欲しいという願いが強まっており、このメッセージは多くの共感を呼んでいるのではないでしょうか。
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「人生には、飲食店がいる」キャンペーンの新聞広告 資料提供サントリー

 なお、ほかには「清酒や本格焼酎の価値が見直されて欲しい(5人)」「酒造工場の見学や各種酒イベントがリアルで再開されて欲しい(3人)」「酔っぱらうためでなく、いいものを楽しむ飲み方が広まるといい(3人)」などの意見が寄せられました。■

【調査概要】
調査時期:2021年12月18日~12月22日
調査方法:インターネットアンケート
サンプル数:100人(お酒好きな人)

情報提供元: PRワイヤー
記事名:「 酒好きほぼ100人に聞くアンケート「酒飲みのミカタ」     2022年は外で自由にお酒が飲めますように