2018年11月20日



アッヴィ合同会社



アッヴィ、再発/難治性の慢性リンパ性白血病(CLL)治療薬として「ベネトクラクス」を日本にて製造販売承認申請



●ベネトクラクスは経口BCL-2阻害薬で、アポトーシスの過程を回復させるためにBCL-2を標的1

●ベネトクラクスとリツキシマブ併用療法の有効性および安全性を評価した国内第Ⅰ/Ⅱ相試験および、MURANO第Ⅲ相試験のデータに基づき申請

●海外のMURANO第Ⅲ相臨床試験において、ベネトクラクスとリツキシマブ(遺伝子組換え)併用療法はベンダムスチン塩酸塩とリツキシマブ(遺伝子組換え)の併用療法よりも再発/難治性(R/R)慢性リンパ性白血病(CLL)患者さんの無増悪生存期間を有意に延長



アッヴィ合同会社(本社:東京都港区、社長 : ジェームス・フェリシアーノ)は本日、再発/難治性の慢性リンパ性白血病(CLL)治療薬として開発中のベネトクラクスについて、日本での製造販売承認を申請しました。ベネトクラクスは、BCL-2と呼ばれる体内の特定タンパク質を標的とする経口BCL-2阻害剤で、がん細胞で失われてしまったアポトーシスというがん細胞の自然死または自己破壊の過程を回復させる作用があります1。本剤が承認された場合、再発/難治性CLL患者さんに対して、従来の殺細胞性の化学療法を含まない新たな治療選択肢となります1。



今回の申請は、国内第Ⅰ/Ⅱ相試験2および、21カ国、389人の再発/難治性CLL患者さんを対象としたMURANO第Ⅲ相臨床試験データに基づいています。MURANO試験は多施設無作為化非盲検国際共同試験で、ベネトクラクスとリツキシマブ(遺伝子組換え)併用投与群は、標準治療のひとつである化学免疫療法のベンダムスチン塩酸塩とリツキシマブ(遺伝子組換え)併用群と比較し、無増悪生存期間を有意に延長、病勢進行または死亡リスクを81%減少させることが示されました。また、ベネトクラクスとリツキシマブ(遺伝子組換え)併用投与群の奏効率(ORR)は92%を達成しています1。



CLLに罹患すると、BLC-2が過剰発現し、がん細胞が自然に自己破壊するのを阻止します。CLLは一般に進行が遅い骨髄および血液のがんで、リンパ球と呼ばれる白血球ががん化して異常に増殖します3。日本での発症は少なく、年間10万人に0.3人前後です4。年齢別の罹患率は50歳以降の中高年に多く、30歳未満の人にはほとんどみられません4。一方で米国においては、毎年新たに診断される患者さんは20,000人を超えています3。



ベネトクラクスは、染色体17p欠失があり、1つ以上のレジメン治療歴のあるCLLに対する単剤療法として2016年4月に米国食品医薬品局(FDA)にて承認され、現在、50カ国以上で発売されています5。また、2018年6月には、染色体17p欠失の有無を問わず、1つ以上のレジメン治療歴があるCLLや小リンパ球性リンパ腫(SLL)に対する治療薬としてリツキシマブ(遺伝子組換え)との併用療法また単剤療法が認められています6。さらに、種々の血液がんを対象とした複数の臨床試験で現在評価されています7.8.9.10。

ベネトクラクスは開発中の医薬品であり、日本ではその安全性および有効性は確立されていません。



がん分野におけるアッヴィについて

アッヴィでは、当社が持つ生物学の中心分野における深い知識を、最先端の技術と独自に組み合わせ、科学者、臨床専門家、同業企業、支援団体、患者さんなどのパートナーと協力して、がん治療に変革をもたらす医薬品の発見と開発に努めています。当社は、⼀部の非常に消耗性の高い広範囲ながんの治療法において、革新的な進歩を実現することに重点を置いています。また、患者さんが当社のがん治療薬を使用できるようソリューションの探求にも取り組んでいます。2015年にPharmacyclics社を、2016年にはStemcentrx社を買収し、現在アッヴィのがん分野のポートフォリオは研究開発と共同研究により、市販されている医薬品と複数の新規分子を含むパイプラインで構成されています。それらは20種類を超える、異なる型の腫瘍について、200件以上の臨床試験において世界中で評価されています。詳細については、http://www.abbvie.com/oncologyをご覧ください。



アッヴィについて

アッヴィは、グローバルな研究開発型のバイオ医薬品企業です。世界で最も複雑かつ深刻な疾患に対する、革新的な先進治療薬の開発を行っています。その専門知識、献身的な社員、イノベーション実現に向けた独自の手法を通じて、自己免疫疾患、がん、C型慢性肝炎などのウイルス感染症およびニューロサイエンスの4つの主要治療領域での治療を大きく向上させることをミッションに掲げています。世界中の人々が持つ健康上の課題への解決策を進歩させるため、75カ国以上の国でアッヴィ社員が日々取り組んでいます。アッヴィの詳細については、www.abbvie.com をご覧ください。Twitterアカウント@abbvie、Facebook、LinkedInやInstagramでも情報を公開しています。



日本においては、アッヴィ合同会社の約1,050人の社員が、医療用医薬品の開発や販売に従事しています。自己免疫疾患、新生児、肝疾患、ニューロサイエンスの各領域を中心に、患者さんの生活に大きく貢献できることを願っています。詳しくは、www.abbvie.co.jpをご覧ください。



アッヴィ 今後の見通しに関する記述

本リリースにおける記載には、1995年米国私募証券訴訟改革法に示される「今後の見通しに関する記述」が含まれています。「確信」「期待」「予測」「計画」という言葉およびそれに類する表現は、一般に将来予想に関する記述となります。当社からの注意喚起として、このような将来予想に関する記述はリスクおよび不確実性による影響を受け、実際の結果と将来予想に関する記述での予測との間に大幅な相違が生じる可能性があります。このようなリスクおよび不確実性には、知的財産に対する脅威、他社製品との競合、研究および開発プロセスに特有の困難、敵対的訴訟または政府による介入、業界に関連する法律および規制の変更などがあります。



アッヴィの経営に影響を及ぼす可能性のある経済、競合状況、政府、科学技術およびその他の要因については、Securities and Exchange Commission(米国証券取引委員会)に提出済みのアッヴィの2017年度アニュアルレポート(10-K書式)の1A項「リスク要因」に記載しています。アッヴィは、法律で要求される場合を除き、本リリースの発表後に発生した出来事または変化によって、今後の見通しに関する記述を更新する義務を負わないものとします。





1. [Venclexta (venetoclax) [Package Insert]. North Chicago, Ill.: AbbVie Inc.]

2. www.clinicaltrial.gov (NCT02265731)

3. American Cancer Society (2015). Chronic Lymphocytic Leukemia (CLL).

http://www.cancer.org/acs/groups/cid/documents/webcontent/003111-pdf.pdf. Accessed June 2018. 2018年 10月閲覧

4.  国立がん研究センター がん情報サービス 2018年10月閲覧

5. U.S. Food and Drug Administration (2016). News and Events: FDA approves new drug for chronic lymphocytic leukemia in patients with a specific chromosomal abnormality.  https://www.fda.gov/NewsEvents/Newsroom/PressAnnouncements/ucm495253.htm.

2018年10月閲覧

6. U.S. Food and Drug Administration (2018). Drugs: FDA approves venetoclax for CLL or SLL, with or without 17 p deletion, after one prior therapy.

https://www.fda.gov/Drugs/InformationOnDrugs/ApprovedDrugs/ucm610308.htm 

2018年10月閲覧

7. Clinicaltrials.gov (2018). NCT01994837: A Phase 2 Study of ABT-199 in subjects with Acute Myelogenous Leukemia (AML). 2018年10月閲覧

8. Clinicaltrials.gov (2018). NCT01794520: Study evaluating ABT-199 in subjects with relapsed or refractory Multiple Myeloma. 2018年10月閲覧

9. Clinicaltrials.gov (2018). NCT01328626: A Phase 1 study evaluating the safety and pharmacokinetics of ABT-199 in subjects with relapsed or refractory Chronic Lymphocytic Leukemia and Non-Hodgkin Lymphoma. 2018年10月閲覧

10. Clinicaltrials.gov (2018). NCT01889186: A study of the efficacy of ABT-199 in subjects with relapsed/refractory or previously untreated chronic lymphocytic leukemia with the 17p deletion.

2018年10月閲覧





情報提供元: PRワイヤー
記事名:「 再発/難治性の慢性リンパ性白血病(CLL)治療薬として「ベネトクラクス」を日本にて製造販売承認申請