BOSTON, Apr 15, 2021 - (JCN Newswire) - 各国政府による規制を受け、自動車産業が電化に向かう中、最も有望なゼロエミッション車技術としてバッテリー式電気自動車(BEV)は急速に成長を続けています。しかし、先端技術を専門とする調査会社のラックスリサーチは、既存の内燃エンジン(ICE)搭載車に比べ、BEVの製造コストが高止まりしていると指摘しています。

ラックスリサーチは、新しいレポート、『Future Energy for Mobility: The True Costs of Electric Vehicles(モビリティのための未来のエネルギー:電気自動車の真のコスト)』にて、先端パワートレイン技術採用のシナリオを含めた、電動パワートレインの総コスト分析とBEVの2040年時点の製造コスト予測を行いました。

本レポートでは、自動車メーカーがBEVの製造コストを削減するために検討可能な3つの分野を指摘しています。バッテリーは依然として電気自動車の最も高価な部品ですが、ラックスリサーチの分析によると、BEVの収益性を高めるための唯一の技術分野ではないことがわかりました。セル・ツー・パック構造において、より低価格のセルの利用と簡素化されたパック構造を採用することが、現在最も大きなコスト削減へとつながります。また、モーターとインバータの効率改善、より安価な固体電池、およびセル・ツー・パック構造を組合せることで、最も大きなコスト削減がもたらされ、75kWhの電気自動車の製造コストは現在の12,700ドルから2040年時点では7000ドルを下回る価格で製造されることになるとラックスリサーチは予測しています。

ラックスリサーチのリサーチディレクターで本レポートの筆者であるChris Robinsonは、次のように指摘しています。

「以前はそもそも自動車産業における電化は実現するか否か、という点が注目されていましたが、今では、この点を疑問視する人はなく、それが実際にどれくらい早いスピードで行われるかという点が焦点となっています。自動車産業の電化の推進要因としては、主に技術面での改善と規制という2点が挙げられます。自動車メーカーは、BEVの設計、製造、販売に対し、何千億ドルもの投資をコミットしてきました。パワートレインのコンポーネントはコスト削減の唯一の源泉ではなく、新しい車両組立技術とカーシェアリングやバッテリーリーシングなどのビジネスモデルを採用することで更なるコスト削減を達成することが可能です。構造用バッテリーは現在最も有望な次世代車両設計ですが、バッテリースワッピングにも注目が集まっていることから、小型のバッテリーパック利用によるコスト削減も考えられます。」

自動車メーカーが専用プラットフォームを用いて収益性の高い電気自動車製造を追求する中、バッテリー価格もいずれ頭打ちになることを考えると、バッテリーから最大限の走行距離を引き出すためのバッテリーパックや車両設計に今後一層重点が置かれるとラックスリサーチは考えています。

詳細については、レポートのエグゼクティブサマリーをダウンロードしてご確認ください。https://bit.ly/3ddNgTl

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記事名:「 バッテリー式電気自動車(BEV):収益性向上にはバッテリーの低価格化以外にもより効率的なパワートレインが極めて重要(ラックスリサーチ調べ)