米IBMが、米ドルと価値が連動した仮想通貨の発行に向け、フィンテック企業の米ストロングホールド社と提携したことが明らかになった。発行通貨は「ストロングホールドUSD」と呼ばれ、法定通貨に対して1対1で価格が連動するステーブルコインの一種となる。IBMが同社のブロックチェーンプラットフォーム上で国際決済への活用をテストする。

ストロングホールドUSDは、仮想通貨「ステラ(XLM)」の技術を基盤とする。ステラは、「リップル(XRP)」と同じ技術をベースとしているが、リップルが大手金融機関に焦点を当てている一方で、ステラは個人に主眼を置く点に違いがある。1,000億枚が最初に発行された後、毎年1%ずつ追加発行されるなど、市場流通量を増やして価格変動リスクを抑える仕組みが取られていることが特徴だ。

IBMは17年10月に、ステラのブロックチェーンを使って国際決済ソリューションの開発を進めることを発表しており、以前からステラに注目をしていた。同プロジェクトは、仮想通貨技術の活用によって、効率的で安全性の高い国際決済の実現を目指すものであるが、ストロングホールドUSDの発行によって、課題となっていた仮想通貨の価格変動性を低減することが期待されている。

ステーブルコインとしては他に、米ドルと連動した「テザー(USDT)」が有名であるが、価値の裏付けとなる十分なドル資産を保有していないのではという疑惑や、ビットコインの市場操作に利用されたのではとの疑惑がある。また5月には、米サークル社が今夏に米ドルと連動した「サークルUSDコイン(USDC)」の発行を予定していることが報じられた。ステーブルコインは、仮想通貨の持つ本質的な価値を享受しながらも、価格の安定性を維持できるものとしてプロジェクトが増えていくことが想定される。



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情報提供元: FISCO
記事名:「 IBMが米ドル連動型の仮想通貨の開発を支援【フィスコ・アルトコインニュース】