現在実装されている企業用ブロックチェーンの90%が、2021年までに置き換えが必要になることが、大手ITコンサル企業ガートナーの調査で予測されている。

同社が、以前に実施した別の調査では、ブロックチェーンによって付加されるビジネス価値は、2025年までに1760億ドル(約20兆円)、2030年までには3.1兆ドル(約341兆円)と著しい増加を推定しているが、現状の企業におけるブロックチェーン実装については厳しい見方をしているようだ。

今回の調査を実施した、ガートナーのシニアリサーチディレクターAdrian Lee氏(以下、Lee氏)によると、そのような結果に至った理由として、企業のブロックチェーンに対する過大評価、そして、ブロックチェーンを導入する際の意思決定の複雑性を挙げている。

企業がブロックチェーンを過大評価しがちな傾向については、Lee氏は次のように説明した。

多くのCIO(最高情報責任者)は、ビジネス目標の達成を支援するテクノロジーとしてのブロックチェーンの機能と短期的なメリットを過大評価している。

そのため、ブロックチェーンプラットフォームのベンダーやサービスプロバイダーから提供される製品を評価する際に、非現実的な期待を生み出している。

また同氏は、ブロックチェーン導入時の意思決定の問題については、その主な原因として、ブロックチェーンプラットフォームのベンダーが適切な説明を企業に対して行えていないことを指摘した。

そのため、「トランザクション」や「セキュリティ」など、ブロックチェーンに付随する機能がどのように達成されるか、また、既存のプロセスと比較してそれらがビジネスにどのような利点を与えるかについて、企業が正確な理解をしていないケースが多いという。

ブロックチェーンはまだ黎明期にあり、ユースケースも少ない技術であるためそのような混乱が生じていると考えられるだろう。

しかし一方では、その採用は拡大していくことが、上の予測にもある通り想定されている。今後のユースケースの増加による、適切な理解の推進に期待したい。

(記事提供:コインポスト)
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情報提供元: FISCO
記事名:「 企業用ブロックチェーンの90%、2021年までに「置き換え」が必要 米ガートナー調査【フィスコ・ビットコインニュース】