16日の中国本土市場は、主要指標の上海総合指数が前日比38.23ポイント(1.07%)安の3518.33ポイントと3日続落した(上海A株指数は1.08%安の3687.76ポイント)。約3週ぶりの安値水準に落ち込んでいる。


投資家のリスク回避スタンスが継続する流れ。対外関係の悪化が引き続き不安材料として意識されたほか、中国指標の発表も気がかり材料となった。中国国内では本日(日本時間午後4時ごろ)、5月の各種経済統計(小売売上高や鉱工業生産など)が公表される。市場コンセンサスでは、伸び率がそれぞれ4月実績から鈍化する見込みだ。また、国家統計局は16日までに、指標発表時間を午前(日本時間11時)から午後に変更している。なお、引け後に公表された各種統計は、前月実績比の伸びが事前予想以上にそれぞれ低下した。(亜州リサーチ編集部)


業種別では、消費関連の下げが目立つ。ピックアップトラック・SUV生産の長城汽車(601633/SH)がストップ安、中国自動車最大手の上海汽車集団(600104/SH)が2.9%安、免税店運営の中国旅遊集団中免(601888/SH)が2.7%安、白酒最大手の貴州茅台酒(貴州マオタイ:600519/SH)が1.6%安、で引けた。長城汽車に関しては、同社幹部3人が保有する自社株の一部を売却すると通知したことも売り材料視されている。


非鉄や鉄鋼、化学品など素材株もさえない。中国アルミ(601600/SH)が6.1%、江西銅業(600362/SH)が3.7%、宝山鋼鉄(600019/SH)が1.2%、万華化学集団(600309/SH)が4.1%ずつ下落した。非鉄に関しては、現地メディアが「中国政府は主要な備蓄金属を近く放出する」と報じたことも嫌気されている。上海商品取引所でも、非鉄や鉄筋など主要産品の先物が安く推移した。ハイテク株、医薬品株、インフラ関連株、海運株、公益株なども売られている。


半面、金融株は高い。上海銀行(601229/SH)が1.7%、招商銀行(600036/SH)が1.5%、中国人寿保険(601628/SH)が1.3%ずつ上昇した。エネルギー株、不動産株も買われている。


一方、外貨建てB株相場は、上海B株指数が1.60ポイント(0.63%)安の252.82ポイント、深センB株指数が10.28ポイント(0.88%)安の1162.96ポイントで終了した。

亜州リサーチ(株)

<FA>
情報提供元: FISCO
記事名:「 16日の中国本土市場概況:上海総合1.1%安で3日続落、長城汽車ストップ安