10日の中国本土市場は、主要指標の上海総合指数が前日比19.46ポイント(0.54%)高の3610.86ポイントと続伸した(上海A株指数は0.54%高の3784.80ポイント)。


米中対立激化の過度な警戒感の後退が投資マインドを改善させている。中国商務部は10日、王文濤・商務部長と米国のレモンド商務長官が朝方電話会談し、貿易と投資関係を推進することで一致したと発表した。また、中国10年国債利回りが上昇一服していることも、投資家の買い安心感につながっている。高PERのグロース株(成長株)物色が強まり、ベンチャー企業株で構成される深セン創業板指数は2.4%高と他の指数をアウトパフォームした。(亜州リサーチ編集部)


業種別では、ITハイテク関連の上げが目立つ。インターネット・セキュリティーの三六零安全科技(601360/SH)とソフト開発の中国軟件与技術服務(600536/SH)がそろってストップ高、太陽光発電素材メーカーの隆基緑能科技(601012/SH)が6.7%高、スーパーコンピュータ世界大手の曙光信息産業(中科曙光:603019/SH)が5.0%高で引けた。


医薬品株も高い。江蘇恒瑞医薬(600276/SH)が4.1%、上海復星医薬集団(600196/SH)とショウ州片仔コウ薬業(600436/SH)がそろって4.0%ずつ上昇した。消費関連株、海運株、素材株、軍事関連株なども買われている。


半面、金融株は安い。中国太平洋保険(601601/SH)が3.1%、中国人寿保険(601628/SH)が2.6%、光大証券 (601788/SH)が1.1%、中国銀行(601988/SH)が1.0%ずつ下落した。不動産株、エネルギー株、公益株も売られている。


一方、外貨建てB株相場は、上海B株指数が1.71ポイント(0.67%)高の257.49ポイント、深センB株指数が2.45ポイント(0.21%)高の1169.30ポイントで終了した。

亜州リサーチ(株)

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情報提供元: FISCO
記事名:「 10日の中国本土市場概況:上海総合0.5%高で続伸、深セン創業板2.4%上昇