週明け16日の香港市場は値上がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比216.37ポイント(0.76%)高の28692.80ポイント、本土企業株で構成されるH株指数が83.11ポイント(0.72%)高の11602.92ポイントとそろって3日続伸した。ハンセン指数は約10年ぶりの高値水準。売買代金は1032億8000万香港ドルに拡大している(13日は873億6400万香港ドル)。

中国経済指標の動向が好感された。先週公表された9月金融統計では、新規融資の伸びなどが予想を上回った。寄り付き直後に発表された9月物価統計でも、企業活動の目安となる生産者物価指数(PPI)が上振れている。中国景気の先行きも楽観。中国人民銀行(中央銀行)の周小川・総裁は15日、中国の2017年下半期の国内総生産(GDP)成長率が7.0%にやや加速するとの見通しを示した。なお、本土では19日、今年第3四半期のGDP成長率が発表される予定。第2四半期の6.9%から6.8%に減速したと予想されている。

ハンセン指数の構成銘柄では、取引所運営の香港交易所(香港証券取引所:388/HK)が2.7%高と上げが目立つ。商い拡大の期待が高まっている。香港政府に対し、香港証券取引所は証券取引印紙税の引き下げ、または廃止を求める方向で検討を進めているとされる。現行税率は取引額の0.1%という水準。これを中国本土市場と同様に「売り方のみ0.1%」とするか、売り方・買い方ともに撤廃するかのいずれかを求める方針という。このほか、インターネットサービス中国最大手の騰訊HD(テンセント・ホールディングス:700/HK)が1.8%高の355.60香港ドルと反発。上場来高値を1週間ぶりに更新した。

セメントや鉄鋼など素材セクターも高い。中国中材(1893/HK)が5.3%、中国建材(3323/HK)が5.0%、鞍鋼(347/HK)が3.5%、馬鞍山鋼鉄(323/HK)が1.5%ずつ値を上げた。鞍鋼に関しては、今年1~9月期の大幅増益見通しを明らかにしたことも材料視されている。

太陽光発電の関連銘柄も物色される。陽光能源HD(ソーラーギガ・エナジー:757/HK)が32.1%高、保利協シン能源HD(GCLポリー・エナジー:3800/HK)が4.2%高、中国興業太陽能技術HD(750/HK)が4.9%高、カ姆丹克太陽能系統集団(コムテック・ソーラー:712/HK)が2.5%高で引けた。「太陽光発電のパネル設置が急増している」と伝わったことが刺激材料。それにあわせ、発電用ポリシリコン価格は足元の2カ月間で約23%値上がりしたという。

本土マーケットは反落。主要指標の上海総合指数は、前営業日比0.36%安の3378.47ポイントで取引を終えた。IT関連株が急落。メディア関連株、バイオ医薬関連株、不動産株、空運株なども売られている。半面、時価総額上位の金融株はしっかり。上海市場の代表的な50銘柄で構成される「上海50A株指数」は0.5%高と反発している。

【亜州IR】



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情報提供元: FISCO
記事名:「 16日の香港市場概況:ハンセン0.8%高と3日続伸、香港交易所は2.7%上昇