■三菱総合研究所<3636>の事業概要

同社グループでは、シンクタンク・コンサルティングサービスを主に同社が、ITサービスをDCSが手掛けている。

シンクタンク・コンサルティングサービスは、総合シンクタンクとして設立以来培ってきた政策・制度に関する知見、社会課題の発見・分析力、次世代先端技術に関する幅広い知識と科学技術分野を専門とする研究員の定量分析評価技術や予測技術等の解析力をもとに、調査研究及びコンサルティングサービスを行っている。官公庁向けには、国土整備、交通運輸、情報通信、地域経営、医療介護福祉、教育等の社会公共分野と環境、資源・エネルギー、科学技術・安全政策等の科学技術政策分野において、調査・分析、政策・計画策定、コンサルティング並びに事業支援を行っている。民間企業向けには、経営・事業戦略、マーケティング戦略、人事制度・組織改革、サステナビリティ・ESG経営、業務革新などのコンサルティングや事業競争力強化を実現するICTコンサルティングを提供している。

ITサービスにおいては、DCSが中核となり、シンクタンク・コンサルティングサービスで培った知見や先端的なICTを活用し、金融、製造、流通、サービス、文教等の顧客に対して、ソフトウェア開発・運用・保守、情報処理・アウトソーシングサービスを提供している。また、ICTを活用したマネジメントシステム革新やインターネットを活用したビジネスモデル革新等の分野において、経営のICT化を上流から下流までトータルにサポートしている。これら各種サービスを日本ビジネスシステムズ<5036>(以下、JBS)※、アイネス<9742>(以下、INES)をはじめとするグループ各社と連携しながら顧客に提供している。

※2022年8月2日、東証スタンダード市場に上場。


1. シンクタンク・コンサルティングサービスにおける各部門
以下は、同社を構成する各事業部門であり、VCP経営ではそれぞれ「A:研究・提言」「B:分析・構想」「C:設計・実証」「D:社会実装」機能を担っている。

(1) シンクタンク部門
VCP経営の「A:研究・提言」を担う部門である。近年は、ポストコロナの国際情勢、経済潮流、先進技術の動向などの分析を行うとともに中長期的視野で未来社会のあるべき姿を描き、その実現に向けた解決策を提言している。また、社会の潮流を創出するために政府の審議会や産業界の委員会への参画、メディアを通じた発信なども積極的に行っている(これらの活動は自主事業として実施)。特に中期経営計画において同部門では、VCP重点分野(「ヘルスケア」「人財」「都市・モビリティ」「エネルギー」「情報通信」「食農」「循環」「レジリエンス」)との連動を意識した研究・提言活動を積極的に推進している。

(2) ポリシー・コンサルティング部門
VCP経営の中核である「B:分析・構想」「C:設計・実証」機能を担い、基盤事業であるリサーチ・コンサルティング事業を手掛けている。官公庁等を顧客とし、有識者・ビジネスパートナーとの連携により、政策立案・制度設計・事業推進を支援している。ヘルスケアやエネルギーなど公共性が高く、政策動向と密接に関わる成長領域を中心に、調査・研究、技術評価、独自モデルによる解析・将来予測、事業管理、社会実証などのプロジェクトに携わっている。

(3) ビジネス・コンサルティング部門
民間企業を主要な顧客とし、社会や顧客の本質的課題を捉えたうえで解決策の提案から実装まで一貫して提供している。VCP経営においては「B:分析・構想」「C:設計・実証」から「D:社会実装」までをカバーしている。中期経営計画においては、成長事業の1つである「ストック型事業(サブスクリプション型事業)」の拡大に向けてグループ企業、外部パートナー企業との連携を積極的に推進している。また、社会実装で得たデータやノウハウを「A:研究・提言」機能へとフィードバックすることにより、リアリティのある解決策の創出とリサーチ・コンサルティング事業全体の価値向上に貢献している。今後のさらなる活躍が期待される部門の1つである。

(4) デジタル・トランスフォーメーション部門
急成長するDX市場への対応を強化し、VCP経営における「D:社会実装」領域の事業を加速するために2020年10月に新設された部門である。官公庁、製造業をはじめとする民間企業、金融機関等を対象にDCS、JBS、INESのグループ3社を中核とする多様なパートナーとの共創により、DXに係るソリューション開発、サービス開発を担っている。特に「DXジャーニー※1」「ニューノーマル※2」「データ駆動経営※3」「自治体DX」をDX重点テーマとして設定し推進している。パートナーとの積極的な連携を意識しながら、「D:社会実装」機能の強化に努めている。

※1 DX実現のための伴走支援。
※2 デジタルによる働き方改革。
※3 データ・AIを活用した経営高度化。


2. ITサービスにおける各部門
以下の各部門はDCSに属し、主にVCP経営の「D:社会実装」を担っている。

(1) 産業IT部門
「ソリューション事業」と「サービス事業」の二本柱で事業を展開している。ソリューション事業においては、顧客のニーズと状況に合わせたDX移行支援を行っている。サービス事業においては「HR(人財)事業」と「文教事業」を展開し、人事給与アウトソーシングサービス「PROSRV」、小中高向けインターネット出願サービス「miraicompass」の導入普及に注力している。なお、「PROSRV」の導入事業所数は約2,000事業所、「miraicompass」の導入校数は約1,200校であり、高いニーズが窺える。実際、「miraicompass」は需要が好調に推移していることから、私立中高に加えて公立中高、さらには大学向けに展開を強化している。

(2) 金融IT部門
三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>(以下、MUFG)をはじめとする金融機関にICTソリューションを提供している。銀行の基幹システムなど多くの大型案件・重要案件を担当している。近年は、中期経営計画のもとでDXによる既存顧客の深耕、新規エリアの開拓などを段階的に進めている状況だ。

(3) DX部門
システム基盤を軸として顧客のDX推進に貢献する新たなソリューションやサービスの研究・開発を担っている。システム基盤面では、DCSのデータセンターを活用したクラウドサービスやストレージサービスを展開している。また、ICT運用・業務運用受託の歴史も長く、従来の運用受託に加えてプラットフォーム導入支援を通じたICT運用のデジタル変革、ペーパーレス総合支援サービスによる働き方改革などにも貢献している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)

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情報提供元: FISCO
記事名:「 三菱総研 Research Memo(3):シンクタンク・コンサルティングサービスを同社が、ITサービスをDCSが担う