シナネンホールディングス<8132>は31日、2023年3月期第2四半期(22年4月-9月)連結決算を発表した。売上高が前年同期比39.0%増の1,397.40億円、営業損失が8.20億円(前年同期は0.42億円の損失)、経常損失が4.25億円(同3.23億円の利益)、親会社株主に帰属する四半期純利益が8.52億円(同0.72億円の利益)となった。

エネルギー卸・小売周辺事業(BtoC事業)の売上面は、主力の「LPガス・灯油販売」で平均気温が平年と比較して高くなったことで販売数量が低調に推移した一方で、原油価格やプロパンCPの高騰に伴い販売単価が上昇したことにより、増収となった。利益面は、住設機器等の増販があった一方、LPガスや電力の総利益悪化が影響し、赤字幅が拡大した。 なお、新たな収益源確保に向けた取り組みとして、第1四半期より、東北エリアにおいて集合住宅向け建物維持管理に関する事業を開始した。

エネルギーソリューション事業(BtoB事業)の売上面は、主力の石油事業でBtoC事業と同様に原油価格の高騰に伴い販売単価が大幅に上昇した。また、軽油の販売機能を強化したオイルスクエアを中心に石油類の販売が好調に推移し、販売数量も前年同期を上回り、増収となった。利益面は、電力販売において調達コストの大幅な上昇の影響を受けているが、将来の市況回復を見据えた価格改定を進めている。また、石油事業において原油市況の変動に対応した仕入施策により差益を確保したことに加え、船舶燃料部門における東アジアの需要が日本に集まる中、長期契約案件の獲得に成功し、全体としては、プラスに推移した。

非エネルギー事業の全体としては、抗菌事業の需要一服と建物維持管理事業で発生した大型案件のずれ込みなどがあった一方、シェアサイクル事業が好調に推移し、増収増益となった。自転車事業は、海外輸送費や原材料価格の高騰などに対応した価格改定を実施したが想定以上の環境変化により、減益となった。シェアサイクル事業は、シェアサイクルサービス「ダイチャリ」の拠点開発を推進した。2022年9月末時点で、ステーション数は2,900カ所超、設置自転車数は10,000台を超えている。また、岩手県で「利用者限定シェアサイクル」サービスを開始するなど地域の課題に応じたサービス導入も推進している。利用データを活用した運営効率化も進めており、本年4月に行った価格改定の効果も相まって、好調に推移した。 環境・リサイクル事業は、主力の「木くずリサイクル」において、建築系廃材減少の影響を受けるなか、木質チップの需給変動がプラスに作用し取引高は概ね好調に推移した。抗菌事業は、新型コロナウイルス感染症拡大による抗菌需要が一服した影響により減益となった。システム事業は、主力のLPガス基幹業務システムの安定的な貢献に加え、電力自由化に対応した顧客情報システム(電力CIS)が伸長し、好調に推移した。建物維持管理事業の中核となるタカラビルメンは、マンション・斎場など定期管理業務の安定的な貢献に加えて集合住宅の運営管理業務のエリア拡大が堅調に進んだ。また、マンション共用部の清掃業務も好調に推移し、増収となった。一方、利益面は、当期より受託開始した大型物件の立上げに伴う経費が先行して発生し、減益となった。

2023年3月期通期の連結業績予想については、売上高が前期比7.1%増の3,100.00億円、営業利益が同0.8%増の25.00億円、経常利益が同14.4%減の28.00億円、親会社株主に帰属する当期純利益が同16.6%増の29.00億円とする期初計画を据え置いている。

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情報提供元: FISCO
記事名:「 シナネンホールディングス---2Q原油価格やプロパンCPの高騰に伴う販売単価の上昇により、2ケタ増収