■業績動向

1. 2022年3月期第1四半期の業績概要
ソフィアホールディングス<6942>の2022年3月期第1四半期の連結業績は、売上高が前年同期比8.4%増の2,921百万円、営業利益が同62.3%増の173百万円、経常利益が同60.8%増の167百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同53.5%増の138百万円となった。

売上面では、インターネット関連事業及び通信事業が好調に推移し、前期に不採算店舗を譲渡したことによる調剤薬局及びその周辺事業の売上減少をカバーした。利益面では、通信事業が好調に推移したほか、調剤薬局及びその周辺事業で経費削減に注力した結果、大幅な増益となった。売上総利益は前年同期比9.3%増、売上総利益率は同0.3ポイント上昇して32.8%となった。また、販管費は同1.9%増加にとどまり、販管費率は同1.7ポイント低下して26.8%となった。営業利益率は同2.0ポイント上昇して6.0%となった。

2. セグメント別動向
(1) インターネット関連事業
インターネット関連事業の売上高は前年同期比39.1%増の278百万円、営業利益は同819.8%増の22百万円となった。SRIのデータセンター運営事業縮小の影響が一巡したことに加え、ニシムラ事務機の事業の一部を譲受し、事務用品販売事業・クリニック開設支援事業を開始したことも寄与した。全体では、ICTを活用したサービスへの需要の高まりにより、SES事業、システム受託開発、ホスティングサービス、不動産業者向けASPサービスが堅調に推移した。利益面では、SRIで事業譲受による関連費用や前期から期ズレとなった費用が発生したほか、CVHでもSSL証明書販売事業の新製品開発(Brand Keeper専用サイト開設)に係る費用が想定以上に発生したものの、増収効果により大幅な増益で着地した。そのほか、AQA及びSTEは計画水準の利益を確保した。

(2) 通信事業
通信事業の売上高は前年同期比21.2%増の923百万円、営業利益は同26.8%増の118百万円となった。主要取引先である楽天コミュニケーションズ向けが安定して推移したことに加えて、リモートワーク需要に伴うWi-Fiルーターや大容量SIMの受注拡大、MVNO事業立ち上げ支援サービスの大型案件受注が寄与した。

(3)調剤薬局及びその周辺事業
調剤薬局及びその周辺事業の売上高は前年同期比0.6%減の1,727百万円、営業利益は同34.5%増の60百万円、2022年3月期第1四半期末の薬局総数は55店舗(前期末は56店舗※)となった。前期に不採算店舗1店を譲渡したことによる売上の減少があったものの、既存店の処方箋枚数の回復により、微減収で着地した。なお、医療機関への受診抑制は徐々に緩和の傾向が見られるものの、コロナ禍の影響により事業環境は依然として不透明である。利益面では、引き続き事業運営における業務効率化による経費削減の推進に注力した結果、2ケタ増益となった。

※エリア別では東北4店舗、関東27店舗、東海・甲信越・北陸5店舗、近畿17店舗、九州3店舗。


(4) その他
その他には海外事業及び経営コンサルティング事業が含まれているが、2022年3月期第1四半期での売上高はなかった(前年同期も同様)。なお、セグメント損失は0百万円(前年同期はなし)であった。


財務健全性は改善基調

3. 財務状況
同社は、M&Aなど事業拡大のための必要資金である長期資金需要については、金融機関からの借入等、金利コストの最小化を図れるような資金調達方法を検討のうえで、資金調達を行っている。安全性の補完のために3億円の当座貸越枠を確保しているが、2021年3月期末時点で当座貸越契約による借入未実行残高は3億円となっている。

財務面で見ると、2022年3月期第1四半期末の資産合計は前期末比30百万円増加して8,638百万円となったが、これは主に現金及び預金が増加したことによる。負債合計は同108百万円減少して7,113百万円となったが、これは主に未払法人税等が減少したことによる。純資産合計は同138百万円増加して1,524百万円となったが、これは主に利益剰余金が増加したことによる。この結果、自己資本比率は同1.5ポイント上昇して17.6%となった。

自己資本比率は2020年3月期末の9.9%をボトムに改善基調である。また、有利子負債依存度も前期末比1.3ポイント低下の52.8%となった。自己資本比率の向上が課題であるものの、財務健全性が懸念される水準ではなく、改善基調であることを評価したい。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)


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情報提供元: FISCO
記事名:「 ソフィアHD Research Memo(5):2022年3月期第1四半期は増収、大幅増益で着地