7日の欧米外為市場では、ドル・円は底堅い値動きを予想する。株価や原油相場が弱含む展開となれば、リスクオフのムードが広がりやすいだろう。そうしたなか、米連邦準備制度理事会(FRB)の引き締め長期化の観測から、ドル売りは後退しそうだ。

前日の取引で米10年債利回りは失速したが、NY株式市場の大幅安でリスクオフのドル買いに。ユーロ・ドルは1.0530ドル台から1.0480ドル台に下げ、ドル・円は137円30銭付近から136円付近まで下落後は136円後半に戻した。本日アジア市場で原油相場が下げ渋り、資源国通貨を中心にクロス円に追随しドル・円は下げづらい値動きに。一方、日経平均株価や上海総合指数などアジアの主要指数は弱含み、ドルが選好された。

この後の海外市場は主要中銀の金融政策が注目される。カナダ銀行(中銀)は3月に利上げサイクル入りした後、前回9月に引き締め幅を縮小。今晩の定例会合でインフレ抑止に向け、追加利上げのほかタカ派姿勢の維持が予想される。13-14日の米連邦公開市場委員会(FOMC)に向けFRBは利上げ幅を縮小するものの、金利見通しの上昇や利上げの長期化が見込まれドルは売り後退。手がかりが乏しいなか、対円で下げづらい値動きが続きそうだ。

【今日の欧米市場の予定】
・19:00 ユーロ圏・7-9月期GDP確定値
(前年比予想:+2.1%、改定値:+2.1%)
・22:30 米・7-9月期非農業部門労働生産性改定値
(前期比年率予想:+0.6%、速報値:+0.3%)
・24:00 カナダ中銀が政策金利発表
(0.50ポイント引き上げ予想)
・05:00 米・10月消費者信用残高
(予想:+280.00億ドル、9月:+249.76億ドル)


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情報提供元: FISCO
記事名:「 欧米為替見通し:ドル・円は底堅い値動きか、米FRBの引き締め長期化観測でドル売り後退