17日の欧米外為市場では、ドル・円は底堅い値動きを予想する。米連邦準備制度理事会(FRB)当局者から引き締め加速に慎重な見解が聞かれ、ドル買いは縮小。ただ、地政学リスクの後退で欧米株高に振れればリスク選好の円売りがドルを支えそうだ。

前日発表された米経済指標で小売売上高は堅調、鉱工業生産は低調な内容となり、ドルへの売り買いが交錯。ユーロ・ドルは1.0430ドル台から1.0350ドル台に失速、ドル・円は140円付近から139円付近に値を下げた。本日アジア市場は日経平均株価や上海総合指数などの主要指数が軟調地合いとなり、円売りは後退。ただ、米FRB当局者の引き締めに慎重な見解で先行きの金融政策への思惑が交錯し、ドル・円は方向感が乏しい。

この後の海外市場は米国の経済指標や長期金利の動向が注目される。今晩発表のフィラデルフィア連銀製造業景気指数は前回から改善するものの、マイナスが続き景気減速が意識されやすい。一方、タカ派の当局者は引き締め継続の必要性を強調しながらも、やや慎重な発言が目立つ。これまでの積極的な利上げのペースは鈍化するとの見方から、金利安ならドル買いは縮小しよう。ただ、それにより株高に振れれば円売りがドルを支えるだろう。

【今日の欧米市場の予定】
・19:00 ユーロ圏・10月消費者物価指数改定値(前年比予想:+10.7%、速報値:+10.7%)
・22:00 ブラード米セントルイス連銀総裁討論会参加(米経済・金融政策見通し)
・22:30 米・先週分新規失業保険申請件数(予想:22.8万件、前回:22.5万件)
・22:30 米・10月住宅着工件数(予想:141.1万戸、9月:143.9万戸)
・22:30 米・10月住宅建設許可件数(予想:151.5万戸、9月:156.4万戸)
・22:30 米・11月フィラデルフィア連銀製造業景況指数(予想:-6.0、10月:-8.7)
・23:15 ボウマン米FRB理事討論会参加(金融リテラシー関連)
・23:40 メスター米クリーブランド連銀総裁開会あいさつ(金融安定化会議)
・24:40 ジェファーソン米FRB理事とカシュカリ米ミネアポリス連銀総裁討論会参加
・03:45 カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁質疑応答
・英秋季財政報告


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情報提供元: FISCO
記事名:「 欧米為替見通し:ドル・円は底堅い値動きか、米当局者の慎重姿勢も円売りがサポート