■NY株式:NYダウ98ドル高、経済活動の再開期待が下支え

米国株式市場はまちまち。ダウ平均は98.49ドル高の33171.37ドル、ナスダックは79.08ポイント安の13059.65で取引を終了した。投資会社による強制的なポジション解消取引関連の報道を受け、金融システム混乱懸念に寄り付き後、下落した。米国内大手金融各社が同社が顧客ではない、あるいは、関連取引による影響が「軽微」であることを明らかにすると警戒感が後退。さらに、バイデン大統領による3兆ドル規模のインフラ計画の詳細発表を今週控えているほか、政権が4月19日までにワクチン接種対象をさらに拡大する計画を発表すると経済活動再開への期待を受けた買いに、ダウは上昇に転じた。引けにかけ、上げ幅を拡大し史上最高値を更新して終了。一方、長期金利の上昇が重しとなり、ハイテク株は弱く、ナスダック総合指数は終日軟調に推移した。セクタ—別では、家庭・パーソナル用品や公益事業が上昇した一方で、銀行や自動車・自動車部品が下げた。

航空機メーカーのボーイング(BA)は、航空会社サウスウェスト(LUV)が737マックス機100機追加注文したことが好感され、上昇。ソーシャルネットワーク・ウェブサイトを運営するフェィスブック(FB)や短文投稿サイトのツィッター(TWTR)はアナリストの投資判断や目標株価引き上げが好感され、上昇した。一方で、ビデオ会議サービスを提供するズーム(ZM)や電子署名のドキュサイン(DOCU)は経済活動の再開に連れ需要が鈍化するとの懸念に、下落。メディアのバイアコムCBS(VIAC)やディスカバリー(DISCA)は投資会社による投げ売りが報じられ、軒並み下落した。

証券取引委員会(SEC)は、投資会社の200億ドル規模のポジションが強制的に清算された状況を監視しているとし、市場関係者と連絡を取り合っているとの声明を発表した。

Horiko Capital Management LLC



■NY為替:米ワクチン接種対象拡大で景気回復への期待広がる

29日のニューヨーク外為市場でドル・円は、109円60銭から109円85銭まで上昇して109円83銭で引けた。米3月ダラス連銀製造業活動指数が予想に反して上昇したこと、バイデン政権は4月19日までに全成人の90%にワクチン接種対象を拡大したため、経済活動の再開が一段と加速し、景気回復を支援するとの期待で長期金利が上昇。リスク選好的なドル買いが観測された。

ユーロ・ドルは1.1792ドルまで上昇後、1.1761ドルまで下落して1.1764ドルで引けた。域内における新型コロナウイルス感染第3波への懸念が高まり、ユーロ売りが上値を抑制した。ユーロ・円は129円33銭から129円09銭へ反落。ポンド・ドルは1.3847ドルから1.3756ドルまで下落。ドル・スイスは0.9404フランから0.9375フランまで下落した。



■NY原油:続伸で61.56ドル、主要産油国による減産体制維持の思惑広がる

NY原油先物5月限は、続伸(NYMEX原油5月限終値:61.56 ↑0.59)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物5月限は、前営業日比+0.59ドルの61.56ドルで通常取引を終了した。時間外取引を含めた取引レンジは59.41ドル−61.77ドル。アジア市場で59.41ドルまで下げたが、主要産油国の減産体制は維持されるとの見方が強まり、原油先物は反発。需給関係の改善が期待されており、ドル高でも原油先物は強い動きを見せた。



■主要米国企業の終値

銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)

バンクオブアメリカ(BAC)  38.31ドル   -0.37ドル(-0.96%)
モルガン・スタンレー(MS) 77.88ドル   -2.10ドル(-2.63%)
ゴールドマン・サックス(GS)325.73ドル  -1.66ドル(-0.51%)
インテル(INTC)        64.50ドル   -0.37ドル(-0.57%)
アップル(AAPL)        121.39ドル  +0.18ドル(+0.15%)
アルファベット(GOOG)    2055.95ドル +20.40ドル(+1.00%)
フェイスブック(FB)     290.82ドル  +7.80ドル(+2.76%)
キャタピラー(CAT)      230.22ドル  +0.72ドル(+0.31%)
アルコア(AA)         32.04ドル   -0.74ドル(-2.26%)
ウォルマート(WMT)      136.67ドル  +1.54ドル(+1.14%) <ST>
情報提供元: FISCO
記事名:「 29日の米国市場ダイジェスト:NYダウ98ドル高、経済活動の再開期待が下支え