25日の日経平均は反発。190.84円高の28822.29円(出来高概算10億1645万株)で取引を終えた。22日の米国市場ではSOX指数が下落していたほか、本格化する決算を前に模様眺めムードが強まりやすい展開が見込まれていたが、終日堅調な展開となった。日経平均は寄り付き直後につけた28566.85円を安値に前場半ばには28700円台を回復。後場は戻り高値水準でのこう着感の強い相場展開が続いていたが、東京都は新型コロナウイルスの感染者が新たに618人報告されたと発表。2日連続で1000人を下回り、緊急事態宣言の効果が表れているとの見方から引けにかけて一段高となり、本日の高値で取引を終えている。

東証1部の騰落銘柄は値上がり数が1400銘柄を超えており、全体の6割を占めている。セクターでは医薬品、繊維、サービス、電力ガス、非鉄金属、化学、不動産、石油石炭が上昇。半面、海運、建設、金属製品、鉱業、ゴム製品が冴えない。指数インパクトの大きいところではファーストリテ<9983>、エムスリー<2413>、東エレク<8035>、信越化<4063>、バンナムHD<7832>が堅調となり、この5銘柄で日経平均を150円超押し上げている。一方でソフトバンクG<9984>が重石となった。

東京都の新規感染者数が2日連続で1000人を下回ったとの報道を受けて、先物主導で上げ幅を広げた格好であろう。決算発表が本格化するなか、引け後に決算を発表した日本電産<6594>は2021年3月期の業績予想を上方修正したほか、EV用モーターの25年出荷計画を従来の200万台から250万台に修正した。さらに400万株(発行済み株式数の0.68%)、500億円上限の自社株取得枠設定を発表しており、ポジティブ視されよう。

決算発表がピークを迎えることにより次第に模様眺めムードが強まりやすいだろうが、主力銘柄の決算が本格化するなかで初動反応としては短期資金の流入が意識されやすいところであろう。また、マザーズ指数は昨年10月22日以来の1300ポイントを回復してきておりセンチメントが改善。10月高値をピークに調整が続いていた時価総額上位銘柄などに対する見直しの流れが強まる展開が期待されてきそうである。

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情報提供元: FISCO
記事名:「 決算期待のほか東京都の新規感染者数減少で思惑も【クロージング】