8日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

■株式見通し:リスク回避姿勢ながら買い戻しが強まる可能性も
■外資系証券の注文動向:差し引き275万株の売り越し
■前場の注目材料:ホンダ、ディーゼル縮小、欧州規制対応、EVに軸足


■リスク回避姿勢ながら買い戻しが強まる可能性も

8日の日本株市場はこう着感の強い相場展開になりそうだ。7日の米国市場はまちまちの展開だった。米上院がハリケーンの被災者支援と政府予算の延長および連邦債務上限の短期引き上げを組み合わせた法案を可決したことが好感された一方で、北朝鮮の地政学リスクへの警戒感が重しとなった。シカゴ日経225先物清算値は大阪比20円高の19270円だった。

北朝鮮が9日の建国記念日や10月10日の朝鮮労働党創建記念日に合わせ「大陸間弾道ミサイル(ICBM)を通常角度で発射する可能性がある」と伝えられるなか、引き続き積極的な売買は手控えられよう。また、本日は先物・オプションSQとなるが、これが通過することで先物の需給が軽くなる可能性があるが、地政学リスクと週末要因もあって、積極的には手掛けづらいだろう。

昨日の日経平均は結果的に5日線に上値を抑えられる格好となったが、オーバーナイトのポジションを取りづらい状況であり、想定内のこう着といったところ。足元で調整のキツかった中小型株については、自律反発をみせるものの、マザーズ指数が下げに転じており、打診買いの域であろう。

なお、足元の需給整理が一巡した感はあり、下を売り込む流れにはならないだろうが、値ごろ感があっても押し目買いを入れづらいところである。一方で、米上院で債務上限引き上げ法案が可決するなど、米政権運営に対する不透明感は和らいでいる。北朝鮮情勢が小康状態となるなか、買い戻しの動きが次第に強まる可能性はありそうだ。

(株式部長・アナリスト 村瀬智一)


■外資系証券の注文動向:差し引き275万株の売り越し

朝の外資系証券5社経由の注文状況は、売り600万株、買い325万株、差し引き275万株の売り越しとの観測。

09月1日(金):580万株の売り越し
09月4日(月):190万株の売り越し
09月5日(火):157万株の売り越し
09月6日(水):270万株の売り越し
09月7日(木):690万株の買い越し


■前場の注目材料

・米上院、債務上限引き上げ法案を可決
・ナスダックは上昇(6397.87、+4.55)
・日銀のETF買入れへの思惑
・急ピッチの下げによる需給整理進捗
・シカゴ日経225先物(19270、+20)
・日経平均、4日ぶりに反発(19396.52、+38.55)

・ホンダ<7267>、ディーゼル縮小、欧州規制対応、EVに軸足
・日本電産<6594>、EVモーター、中核部品参入、19年にも中国生産
・パイオニア<6773>、3Dライダー、サンプル出荷
・スター精密<7718>、加工能力・剛性20%向上、スイス型自動旋盤2機種発売
・清水建<1803>、ビル再生事業展開、BCP性能・快適性向上


☆前場のイベントスケジュール

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情報提供元: FISCO
記事名:「 前場に注目すべき3つのポイント~リスク回避姿勢ながら買い戻しが強まる可能性も