*08:24JST センチメント悪化で持ち高調整の動きが強まる  4日の日本株市場は、売り優勢の相場展開が見込まれる。3日の米国市場はNYダウが430ドル安、ナスダックは248ポイント安だった。8月のJOLT求人件数が減少予想に反して増加に転じたため、強い労働市場を受けて米連邦準備制度理事会(FRB)が追加利上げに踏み切るとの観測が強まった。さらに、米民主党議員の協力を仰ぎ、11月中旬までのつなぎ予算を成立させ政府機関の閉鎖回避にこぎつけたが、共和党内の保守強硬派からの反発にあいマッカーシー下院議長が解任され、政局不安がさらなる売り材料になった。シカゴ日経225先物清算値(12月限)は、大阪比450円安の3
0750円。円相場は1ドル149円00銭台で推移している。

 シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、売り先行で始まることになりそうだ。日経平均は昨日の下げで8月の直近安値を下回ったが、日経225先物についてもナイトセッションで8月安値を下回ったことから、持ち高調整の動きが強まりそうだ。急ピッチの下げに対する売られ過ぎは意識されるものの、戻り待ち狙いの売り圧力が強そうである。また、ファーストリテ<9983>が発表した「ユニクロ」の9月の既存店売上高が、3カ月ぶりに前年実績を下回ったことが嫌気されやすく、指数の重荷となるほか、他のアパレル各社へも警戒した売りが波及する可能性がありそうだ。

 また、9月の配当志向の物色が通過した後は、バリュー株の持ち高調整の動きが強まっている。昨日の東証プライムの騰落銘柄は9割が下落したほか、東証33業種はすべて下げていた。米株安の流れからハイテク株へのシフトも期待しづらく、物色は個別の材料株などでの短期的な値幅取り狙いの動きにとどまりそうである。米国では予想を上回る経済指標の発表が続くなか、FRBによる金融引き締め長期化への警戒が根強い。週末には雇用統計の発表を控えていることもあり、様子見ムードが強まりそうだ。

 そのほか、足もとでリバウンドの動きを見せていたマザーズ指数は、2.6%超の下落であっさり年初来安値を更新した。個人投資家のセンチメント悪化も意識されやすく、市場参加者が限られるなか、断続的なインデックス売りなどから下へのバイアスが強まりやすい。本日はくすりの窓口<5592>、キャスター<9331>がIPOとなるが、相場全体が手掛けづらいなか、短期的な資金が向かいやすいだろう。

<AK>
情報提供元: FISCO
記事名:「 センチメント悪化で持ち高調整の動きが強まる